不適切にもほどがある 第3回

asanohikari
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 今回のミュージカルで「みんな誰かの大事な娘(だからセクハラはだめ)」という内容のシーンがあり、案の定あちこちで引っかかった人がいるようだ。私もリアタイしながら「あーそっち方面にいっちゃうのか、それはもう古い考え方だから燃えそう」ともんにょりしたのだった。それとは別にミュージカルの出来は今回も良かったし笑ってしまった。

 「女性は誰かの娘だから尊重されるべき」なのではなく「性別に関わらずひとりの人間として尊重されるべき」である…というのはもっともな話で、時代の先端で物書きをしているクドカンがそれを知らないわけはないと思うのだ。知った上で「みんな誰かの娘」という歌を入れてきたと考えるのが妥当ではないだろうか。

 そもそも主人公は昭和10年の戦前生まれである。昭和のお色気を消費している中年男性がいきなり令和に放り込まれて、自らの知識と価値観から絞り出した理解が「誰かの娘だから大事に」だったということを描いたまで。大事なのはそれぞれの経験に照らし合わせて考えること。導かれた結果が少しくらい微妙でも、まずは理解しようと努力することが第一歩。そういうことかなと思う。

 そして主人公の微妙な結論による歌がプチ炎上するだろうことも見越して、コンプライアンスについて考えさせる構成、クドカンの視点は面白いなーと思う。今期唯一見ている民放のドラマである。