光る君へ「おかしきことこそ」第7回

asanohikari
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 「こわ、この家の誰も彼もこっわ!!」という気持ちが毎週更新される藤原家、出世のためなら何でもする父兼家は身分の低い妾に甘える可愛い一面はあれどあまりに冷酷。長男道隆は物腰柔らかいけれど次男を道具として懐柔、それを見て満足そうな妻、詮子と三男道長は後々ああなる…ということは最終的にあの道兼が一番純情なのではとさえ思えてきて…

 映像として姫君たちの五節の舞と対になっているF4の打毬、麗しかったですね。その会話はあからさますぎるけれど、ここまで手を変え品を変え表現されていた「妻の身分が高くないとダメ」を前に納得しかないのです。そのことは母の身分が低いが故に苦労した家に育ったまひろが誰よりも知っていること。

 嫡妻は政略結婚で、好きな女子は妾として、という当時の普通の感覚を受け入れられないまひろ。あの世渡り下手な父上でさえ他所の女子の元へ通っていた、それを幼いまひろは許せなかったでしょう?あの頃から変わっていないのです。人は大人になればどこかで世間と自分のギャップに折り合いをつけ長いものに巻かれるけれど、まひろは違う。時代の価値観と合わずとても生きづらい性質を抱えて、それでも自分を貫く生き方をするのでしょう。これって生きづらさを抱える現代人に通じるものとして大石先生が設定したように思えます。

 そして仇家の息子との身分違いの恋はまるでロミジュリ。でもロミジュリにはならないのよ、なぜならまひろは待つ女ではないから。ああ容易に想像できる修羅の道。つらい、つらすぎる。普通に道長の妾でいい、好きな人と一緒にいられるなら…と思える女ならどんなによかったか…。道綱母やききょうほどの逞しさはない、身分も高くない、それでも自我を捨てられない、社会的制約も悩みも大きい等身大の女性としての紫式部という視点は新鮮です。そしてそれをことのほかドラマチックに描くがゆえに少女漫画風味が強いのでしょう。

 今日もキュートな小麻呂ニャン、首につけられた紐は真紅。これは運命の赤い糸のメタファーなんでしょうか。赤い糸の猫の持ち主は倫子、そしてまひろは見失ってしまった赤い糸。先週の引きで抱きしめた道長からの情熱的な和歌、今週の引きでは燃やされてしまいました。さらに来週はまひろと道兼が会っていました。これからどうなるのー。