『転職ばっかりうまくなる』を読んで

朝海
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ひらいめぐみさんの『転職ばっかりうまくなる』を読んだ。著者の6回に渡る転職活動について書かれたエッセイ集だ。私はこの方を存じ上げなかったのだが、書店で本を開き、帯に書かれた「キャリアプランなんてない」の一言に「わかる〜」となり、今買わないともうこの本に出会えない気がして買った。

新卒で就職活動をして社会人になり、大して転職活動もしてこない人生だったので、ひらいさんのフットワークの軽い転職活動のお話しを読むと、こういう人生もあるのだなぁと思う。転職活動そのものがめんどうなのと、幸運にも周りの人たちに恵まれているので、パワハラに遭遇したことはないのだが、本書に出てくる上司を見ると「本当にこういう人っているんだ…」の気持ちになる。きっと今もこういう人に、苦しめられている人はいるのだろうな。私だったらそんなことをされたり、言われたりしたら、次の日を自主休業にして辞めてしまうかもな、などと考えた。

本書ではときどき「仕事から逃げられる場所」として川のお話が出てくるのだが、わかる気がする。自分もオフィスに出社していた頃、突発的に仕事や同僚から逃げ出したくなり、会社から少し離れたカレー屋に避難することがしばしばあった。なぜカレー屋かというと、職場近くには川も公園もなく、精神的に落ち着けそうな場所がそこしかなかった。かといって毎日その店に行けるほど給料も高くないので、大体はオフィスの自分の席でさっさとご飯を食べて寝ることにしていた。今考えると「1日中オフィスにいる」ということが辛かったのだと思う。人間関係は良好だったが、常に会社の人間がいる状態がどうにも苦手だった。今はリモート環境になり、そういった辛さからは解放された。嫌になったら海を見に行けるし、川も公園もある。

ひらいさんの書かれる文章が好きだなと思ったので、他の著書を探してみたが、どうやら初の商業出版作品だったらしい。オンラインショップに行ったら個人誌を出されているようだったので、そちらを購入し届くのを楽しみにしている。

@asum0100
インターネットお絵かき社会人