まともじゃない私のまともじゃない本の話

 

何書いていいかわかんねえな〜って思ってたんですが、今回は本について書いていこうと思います。

まず読書歴なんですが、そこまで高尚なものを読んでないんですね。文豪の小説はつまみ食い程度だし、海外文学は翻訳が合わないとすぐ投げるし大衆文学寄りです。そういう本を読める人になりたかった。

逆に絵本を含む児童文学も全然通ってないんですね。児童文学ってなんかいちいち説教臭いところないですか!?それが嫌いだったのと昔から変身ものとかファンタジーにも一切興味が持てなかったんですね。そういう経緯から淡々と事実を並べるような闘病記と伝記と災害と戦争のノンフィクションに近い本ばっかり読んでた気がします。

それにも飽きてきて普通の大衆小説に早々と手を付けてしまったのではやみねかおるとかダレン・シャンとかあの辺りにほとんど手を付けていない。なんかもっと触っておけばよかったな〜って今更結構後悔してる。

あとものすごくざっくばらんな本の読み方していてあんまり覚えてないので、

大体そんな感じでしょうか。

 

 

よかった本

蒼穹の昴シリーズ 浅田次郎

父親が浅田次郎好きなんですね、その流れで読みました。

これめちゃくちゃ面白いんですよ。清朝末期の宦官の歴史ロマンもの。シリーズで色々主人公は変わるんですけどね。これね、不思議と小説を読んでるって感覚がないんですよ。話の内容も相まって、少年漫画とか読んでる気分。

あと浅田次郎って読みやすくてユーモアがある文章を書くので、中学生の頃短編を書き写したことがある。月島慕情とかだった気がするな。同じところに入ってる雪鰻って話も好きですね。プリズンホテルとか王妃の館はシンプルに面白いし、歴史ものなら輪違屋糸里とかも読んだな。

なんだかんだ人情物が結構好きだし書きがちなのは浅田次郎読んでた影響なのかもしれない。

中学生の時司馬遼太郎にドハマりしてたので、歴史ものが好きなのかもしれない。

 

 

燃えよ剣 司馬遼太郎

 

一昨年映画化もされましたね。これがまあ、結構いい出来なのでおすすめ。

司馬遼太郎の話を上でしたと思うんですけど、燃えよ剣か坂の上の雲が一番好きかも。司馬史観とかやり玉に挙げられがちだけど、小説に脚色がないと思ってる方がおかしいだろと思ってるのであんまり深いことは考えてません。

手元にあったからちょっと読むわ、くらいの感覚で本を読んでいたので本当に本当に一切深いこと考えてない。あんまり深いことも感じない方です。

同じく司馬遼太郎で十一番目の志士っていう幕末夢小説通って感じの別の話があるんですけど、十一番目の志士にしろ、燃えよ剣にしろこの人の書く架空の人物が結構好きです。

 

 

しろいろの街の、その骨の体温の 村田沙耶香

 

村田沙耶香、好きですね〜。結構読んでるってわけではないのですが最近一番好きかも。

とはいえ、この話はかなり村田沙耶香にしてはマイルドなんじゃない?と思うんだけど好き。あと「うわ〜頭痛薬が好きそう〜」みたいな味は感じられるかも。初めから終わりまで全部好き。

我々も当然子供だった時期があるけど、子供って結構普通にダーティじゃないですか?純粋無垢でも何でもなくないですか?当然無垢故の残酷さみたいなものもあるんでしょうけども、そこを差し引いても結構普通にずるいし、酷いこと考えるし欲もあるよな〜という。

そういうところが書かれてるのが好きですね。結構刺さる人多いんじゃないか?

 

 

男ともだち 千早茜

 

からまるとかあとかたも好き。千早茜も結構好きだったな。

御存知の通り頭痛薬、非モテ喪女なんですが非モテ喪女故に異性の友人はそこそこいたんですね。気を使わないでいられるんでしょうね。ごく稀にゲボ吐くような事に巻き込まれたりしてクソだりぃなってなることもあるんですけど、これはゲボ吐きそうだった時期に読んだので余計沁みたかもしれない。

この主人公の行動とか心情は「へー」くらいなんだけど(同じような行動はしないだろうな)言ってることはすげ〜わかるんですよね。「異性の友人」の温度感もすごい絶妙で家族でも恋人でもないけど、こいつは大事な人間であって、って感覚もわかる。別に恋人じゃなくていいんですよ、でもびみょ〜な隙間を埋めてくれる人間ってまあほしいよな。

結構これも「あ〜頭痛薬が好きそう」感が強いかも?わかりがあるかも。

絶対的に揺るがねえ異性の友達、恋人より配偶者より家より金よりほしいかもしれん。

終電逃した後にカラオケで始発待ちしよう。酒でまともじゃない呂律と外しまくった残酷な天使のテーゼとか歌おうね。

 

 

晴天の迷いクジラ 窪美澄

 

窪美澄も読んだな〜!!!!でも多分一番これが好き。

なんで好きってもうあんま言語化できないんだけど、色々しんどくなった人たちが乗り合わせて座礁したクジラを見に行く話なんですよね。しんどくなった人たちのしんどくなる過程の書き方が好き。何かには引っかかる人いるんじゃないかな。

読んだとき高校生?とかだったのか?高校生の時って多分こんなに人生ろくでもない感じになっちゃった元凶が詰め込まれてて、毎日死ぬほど退屈で暗澹たる時代だったので来るものがあったんだろうな。

窪美澄はどれ読んでも面白いよ。

 

 

桐島部活やめるってよ 朝井リョウ

 

これはど真ん中で世代だったので許してほしい。ちなみに映画も傑作。

それを差し引いてもいいですよね。結構話書く上で影響受けてんじゃないかな。あの観測者っぽい感じとか。リアルにあの時代の高校生やってたので余計来るものはあった。共感というか温度感がそのままだから。多分今初見だったらそこまでぶっ刺さりはしなかったと思う。

こういう会話とか心境とか情景描写のリアリティとか温度感を出せるようになりてえ〜!って高校生の私は思ってたかもな〜。

あともう一度生まれるも好きです。むしろこっちのほうが好きだったまであるかも。

 

 

八本脚の蝶

 

これは別垢でもうかれこれ7,8年付き合いのある、半分リア友みたいなフォロワーのおすすめ。まあ、日記なんですよ。全く異なるものではあるけど、卒業式までは死にませんとか二十歳の原点とかそういう方向の本。つまりそういうこと。故にメンタル弱ってる人にはあんまりおすすめしないけど。

私はこの手の本でショックを受けたりするタイプではないからいつでも全然読めるんですけどね。

この著者はものすごい愛書家で、ものすごい教養があって聡明で文才がある。

私って冒頭に書いた通り愛書家ってわけじゃないんですよ。別に紙の本に思い入れとかないし、中身が読めればそれでいいしそこまでものすごく読みたいって思うこともないし。何かを読んだからといって何かを思うこともなくて、ふーんそうなんだでほとんど終わりで感受性という感受性が壊死しているのか(もちろんそうとは言えないし、感情が平坦というわけでは一切ない)ってくらい動かされなくて、欠落してんな〜悔しいな〜って思う。

私は勧めてくれたフォロワーには申し訳ないと思うし、こんな感想を抱くのは変なのかもしれないけどこの本に素直に感銘を受けたとは言い難くて、平たく言えばこの人の持ちうるものの全てに嫉妬してるんだと思う。あーあこういう風に才能溢れた人間になりたかったな、みたいな。

なんか私のコンプの話になったね、でもそんな感じ。

 

 

俎上の鯉は二度跳ねる 水城せとな

 

これはごめん、BL漫画。しかもリバありなんで人は選ぶ。映画もやったね。映画については認めないけど。

多分人生の羅針盤になりうるような漫画だったんじゃないか?中学生の時とかに貸してもらって、衝撃を食らった。これは本当によく覚えてる。高校生のとき肌見離さず持ってたかもしれない。

前に窮鼠はチーズの夢を見るって漫画がある。その完結編が俎上の鯉は二度跳ねる。完結編の重くのしかかってくる業と執着と選択ってところがたまらなく好き。

その頃からこういうしんどいものを書きたいとは思ってるかもしれない。おこがましいけど。私の中では結構でかいパーツかもしれない。

行けそうだったら是非読んでほしい。この話は一生好きだと思う。

 

 

ゴールデンカムイ 野田サトル

 

すまんけど入れさせてくれ。こんなに完璧で全てが美しく帰結する話あるか!?

無料公開で読んだけど、読み終わった後一気に全巻買った。多分金カムは一生ものだと思う。人間の背景と関係と絶妙な揺れだとかそういうものを書くのがあまりに上手すぎる。

あと台詞とかが洒落てて本当に好き。

「いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう?」とか「恋をしたから脱獄することにした」とかね。うわ、洒落てんな〜!って言い回しが好き。ただその物語構成の美しさにひれ伏すことしかできないですね。

 

 

サターンリターン 鳥飼茜

 

鳥飼茜、初速の部分が大概好き。オチは好きじゃなかったり小さく萎んだなって思うことも多いけど。

4巻くらいまでの勢いがたまらなく好き。後から読むとほへーんとしか思えないんだけど、はじめの主人公が夫婦生活煮詰まってる感じとかアオイのくだりとか心臓ぶっ刺される感じがする。このひりひり感を無限に味わっていたいんだよな。

先生の白い嘘もオチは好きじゃないけど5巻くらいまで最高に好きだった。絶対とは言わないけど好きといえば好き。私のフォロワーで刺さる人はそんないないかもなって感じのラインだけど好き。

  

 

その他

 

あとは林真理子の最終便に間に合えばとかも最近読んだ中では良かった。月なみにカズオ・イシグロのわたしを離さないでとかも好き。中村文則の何もかも憂鬱な夜にも好きだったな。豊島ミホは結構読んだ。桜庭一樹は七竈と私の男が好きかな。天童荒太の永遠の仔も印象に残ってる。救いないしよかったって手放しで褒められるわけじゃないけどあの奇縁感は好き。

読みたい本はいっぱいあるんだよな〜〜〜〜。ちなみに今一番読みたいのは統合失調症の一族。小説なら同志少女敵を撃てかな〜。全然読めていないんだ!水晶内制度とかも読みたい。

私自体はなんで二次創作で小説書いてるのかわからないくらいいろんな物が抜け落ちてるし、本はなんかタイトルでぱっと気になったのを適当に読んでるだけだからすごい偏ってるし、見識が浅さを晒していてちょっと恥ずかしいのですが、まあでもこんな感じかもしれないです。

お題ありがとうございました。

おすすめの本あったら教えてください。なんとかレターってやつでもいいし、お題箱でもいいよ!