10年とかそこらくらい前、万年筆にハマり当時にしては結構大きな額を費やした私ですが、最近Twitterのおすすめ欄とかに流れてくるためにちょっと再燃してます。
仕事始めてから手入れとかやってられないよ〜とか思ってもうかれこれ4,5年はまともに触ってなかったんですけども、やっぱりこう見るといいな〜って思いますね。
昔は小説全部手書きだったんですね。結構理由は単純で、不真面目な私は授業中にこっそり内職をしてたのでそうなると手書きにならざるを得なかったんですよね。というか電子媒体を持つ前から書いてたってところもまあまあ大きいかも。
でもそうやって書いてるうちに腱鞘炎になって、力入れて書かなくてもいいように万年筆を買ったというわけです。
初めて万年筆買った頃は丁度「廉価な万年筆!」としてパイロットのカクノが発売され、カラーバリエーションが豊富な色彩雫が出始めた頃でした。2本目辺りに買った気がします。色彩雫のミニボトル3本セットも一緒に。
ちなみにファースト万年筆は東京・蔵前にあるカキモリのオリジナル万年筆(多分素体はセーラーのプロフィットジュニアかな)だったけど。インクは同じくカキモリのインク工房で作りました。
私が買った時のカキモリのオリジナル万年筆はもうなかったと思うのですが、2000円にしてスケルトン軸が楽しめて、形も実に万年筆らしい形をしてるので手にした時は大層テンションが上がったのを覚えています。
時に、万年筆の性能(価格とも言う)には一つ大きな隔てりを挟んで二つに別れます。それがペン先なわけです。
いわゆる、上にあげたパイロットのカクノとかセーラーのプロフィットジュニアは「鉄ペン」と呼ばれる、ニブ(ペン先)がスチールやステンレスで出来たものなんですね。比較的安価なものや入門モデルは大体鉄ペンに属します。
ファースト万年筆であれだけ喜んでいたのに、欲は尽きぬものでそれなりに早い段階で「金ペン」に手を出しました。金ペン、つまりペン先が金で作られているものですね。そしてゆくゆく特殊ニブにまで手を出すことになります。
もう今は値上がりして、欲しかったモデルは平気で5万円……という世界になっているし、今はもう小説はほぼ全部PCかスマホで書いてしまっていて、万年筆の出番もないわけです。それに。あの頃よりもずっと他の娯楽を覚えた私が万年筆蒐集に戻ることはまあないでしょう。
でもやっぱりふらっと伊東屋だの丸善の万年筆がズラッと並ぶ一角に行くと心はどうしても踊るし、金銭感覚が10年前のバイト代だけで何も考えずにいられた時代に返ります。おお、怖い。
今欲しいな〜と思っているのはプラチナの「シェイプオブハート」ですね。第1弾(で合ってるかな)バージョンがいい。字幅はEFがいい。
何の変哲もない仏壇(黒くつやっとした「これぞ……!」というタイプの万年筆のことをそう呼ぶ文化が万年筆蒐集者周りではあった。今はわかりませんが……)に見せかけて、意匠の効いた可愛い万年筆です。店頭で見かける度ぐらりと揺れます。