はじめに
12月10日〜17日で京阪神旅行に行ってきました〜。
旅行と言っても日程の端と端にある某講座のためにとどまったというだけなので、滞在と言ったほうが正しいんだけど。(関東と行き来するより関西に泊まったほうが安かったのだよ)
そういう経緯の上、京都も今回で5回目?6回目?なので、王道土産の八つ橋だのは特にいらんかな〜という具合だったんですが、私にはどうしても行きたいお店があったんですね。
それがこちら、京都の7+
ざっくりいうとお茶の専門店ですね。京都だしさぞ抹茶だのなんだの、日本茶専門店なのだろうと思うかもしれないけど、これが白茶とか黄茶とか中国茶あたりも含め結構コアなものを取り扱っている。
私は割とお茶派で、始まりはなんかのアニメ見てかぶれた結果紅茶を飲んでたんだけど、割と最近は日本茶ってなんだかんだ美味いな〜と思ったり、無性に中国茶が飲みたくなったりする。特に白茶がめちゃくちゃ好きなんだけど、全然売ってないんだよな!!!
台湾烏龍茶はここ最近で爆発的に売れたし、ゴンチャあたりでも結構美味しいやつをそこら辺で啜らせてくれるようになったんだけど、なかなか白茶、黄茶、青茶ってラインになってくると売ってる店はどうしても少ないし、今回京都に行くにあたって検索したらここがヒットしたので行ってきました。
お店の人の話が面白かったのでちょこちょこ聞いた話をまとめながら買ったものを振り返っていこうと思います。
購入品
白茶・古樹白牡丹
これは白茶ですね。
「お店の人にまあ上の経緯で白茶欲しくてきたんですよ〜」って言ったらおすすめしてくれたのがこれ。
すごく初歩的な話でうんちく垂れ流しててうるせえなって感じはあるんですが、お茶って発酵の度合いで緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶が大体ここ)、黒茶、紅茶とカテゴライズされているわけです。要するに白茶は緑茶よりちょっとだけ発酵したお茶ってことだね。
それが故にどの程度発酵させるか、管理が難しいお茶らしいのですが、その反面、「ちょっと発酵しちゃったな、白茶っぽい味がするな」という具合に偶然出来上がることもあるそう。そういう白茶の性質上、茶葉の種類を問わず偶然できた微発酵のお茶を「白茶」と銘打って売ってることも少なくないらしい。(台湾製の白茶が最近が最近多いのはこういうところじゃないかな〜とのこと)
なので、白茶に興味を持ってくれたのなら一番スタンダードで古典的で原理的な中国の白茶をおすすめしますとのことだったのでこれを買いました。実はまだ飲めてないというね!飲んだら感想書き加えておこう。
緑茶・やぶきた(朝宮)
私の前に別のお客さんがいたんですけど、煎茶を買いたがっていてその話を横から聞いているうちに白茶だけのつもりが私も煎茶が欲しくなっておすすめの煎茶を聞いたら、「せっかく関東から来てくれたのであれば」と出してくれたものがこちらでした。
お茶といえば宇治(京都だからなおさらそう)だけど個人的にはこれをおすすめしたいとのことでした。
まず、朝宮は京都と滋賀の県境上にある土地らしく、宇治と朝宮は山を挟んで「西の宇治、東の朝宮」という具合に対の関係にあるそうな。宇治ばかりがどうしても有名な印象が強いんだけど、朝宮は朝と夜の気温差がより大きく、霧が多いという気象条件故に香り高く、美味しいお茶ができるとのこと。
ちなみに、こちらでは新茶でなく古茶を取り扱ってますね(買ったのが2021年のやつだったかな?)つい新茶新茶って言われがちだけど、マーケティングの問題で、実際は1年位寝かせたお茶のほうが美味しいしお茶農家やってる人で新茶飲む人ってそんなにいないとのこと。
これ早速飲んだんですけど、実際すごく美味しい。最近は甘くて渋みのないお茶が多いと思うんですが、これはずっしりとした渋みを感じますね。けどちゃんと旨味も甘みある。あと香りはやっぱりすごくいい。
緑茶、割と何でもそうなんだけど濃いめに入れるのが好き。
緑茶・在来(政所)
これも滋賀のお茶ですね。政所(まんどころ)という土地で作られてるお茶。字からして由緒正しいお茶なのかなって感じなんですけど、当たり。5,600年ここでお茶作ってるらしいです。山の傾斜に畑があるために機械が使えず、農薬も使わないで昔ながらの手作業で育ててるというお茶。
なんか滋賀県民でもあんまり場所わかんないみたいな秘境?みたいなとこらしく「幻の銘茶」と呼ばれてるそうな。
お茶の木って大体クローンらしいんですけど、ここのお茶は在来種の木。政所は豪雪地帯で盆地で日照時間が少ない土地柄のために他のお茶の木が根付かなかったらしいんですね。葉っぱに厚みがあって丸い?って言ってた気がする。
品種改良されてないが故に野性味の強い味がするので、昨今主流のお茶を飲み慣れてると美味しいといえるようなものではないかもしれないけど、これがなんでか染み入る味をしてるんだよな〜とのことでした。
私は手作業、オーガニック至上主義ではないんですが(なんなら手作業偉い的な風潮洒落臭いな〜と思ってるタイプですらある)手作業にならざるを得ない土地だったっていうのは面白いなと思いました。(「ここはそうせざるを得なかったからやってたんだけどオーガニックが流行ったから今になって勉強させてくださいって若者がくるんだってさ」みたいなことを言ってた)
聞いたこともなく、ちょっと興味があったので買ってみることに。好き嫌いは分かれるかもとのことだったので、まあ合わなかったら合わなかったでいいかと思いつつ、京都土産としてまあ悪くはないでしょうという感じで買いました。
乾燥した茶葉の匂いがもうなんかお茶って言うより笹!?って感じのすごい野性味ある匂いがする。茶葉自体も針みたいに細い一般的な煎茶ではなく、結構一本一本が太い感じ。
淹れてみても結構香りも味も結構青臭いところがありますね。所謂すごいわかりやすい玉露とかにある出汁みたいな旨味みたいなものはない。じゃあ旨味がないかといわれればそんなことはなくて、もっと素朴で自然な甘さと旨味を感じます。すっと染み入る感じっていうのもわかる。
私は結構これ好きですね、一度飲んでみる価値はあるかも。
あとちなみにこれも古茶です。2021年って言ってた気がする。こちらも寝かせたほうが美味しくなるそうです。
釜炒り茶・香駿(熊本)
これは熊本の釜炒り茶。釜炒り茶って何?と思ったのですが、これは製法ですね。緑茶は本当にミリも知らないので初耳でした。
普通、よく出回ってる緑茶は大体生の葉を蒸してるらしい(そう言えば深蒸し緑茶とか言うよね)んですが、釜炒り茶は生の葉を直火の釜で炒る製法をとってるものだそうな。
この熊本のお茶で作った和紅茶は2022年?にロンドンの品評会で世界一にもなってるらしい(釜炒り茶でとったんだか、和紅茶だったのかはもうちょっと曖昧になってしまったが)ちなみに、この品評会はフォートナム・アンド・メイソンが主催してるそうな。私の一軍紅茶は大体フォートナム・アンド・メイソンなので、大変勝手に親近感。
お店の人と話してたときに度々耳にしたのは「ジュースみたいなお茶が増えてる」という話だったんですね。「旨味」ってワードがやたらピックアップされて、食べ物も飲み物もなんでも旨味をなんとかってものが増えている傾向にある今日、お茶も例外ではなくやたら甘くて、出汁のようなお茶が増えているって話でした。確かにそうだなあという実感はありますよね。
食事に選択肢が多く、食材も豊富な昨今旨味が飽和している状態でお茶にそこまで旨味を求める必要はないんじゃないかという話でした。台湾烏龍の流行がその証左なのではないか、というなかなかに興味深い話を聞きました。
釜炒り茶も緑茶ではあるけども、味わいは台湾烏龍っぽさがあるとは聞いてたんですよね。実際に飲んでみたんですが、本当に緑茶より台湾烏龍っぽい。
香りはすごく華やかで、いかにもな甘さは控えめでさっぱりしてるんですよね。香りが華やかって言ったけど、どんな感じかと言うと緑茶というと青々とした匂いを想像しがちなのですが、これは向こうのお茶っぽい花に近い香りがします。でもちゃんと緑茶だなあってところもある。
これ、台湾烏龍好きな人はこれも好きなんじゃないかな〜。私はハマりました。緑茶カテゴリーで常備しておきたいなって思うお茶。一軍候補。
まとめ
さて、こんな感じで京都でお茶を爆買いしてきました。全部で多分5〜6000円くらい買いました(バカ?)予算2〜3000円のつもりでいたんですけどね。
白茶を目当てに行ったんですけど、いや〜緑茶ばっかりになりましたね。話聞いてたら気になるものが次から次に出てきてしまって……。でも結果としてめちゃくちゃいい買い物だったなと思ってます。
ずっと紅茶ばかり飲んでいたつもりでいたんですけど、緑茶ちょっとしたマイブームではあったんですよね。日本人だからなのかやっぱり落ち着くというか。なんでもあっさりめの味が好きな傾向にあるので、紅茶飲んでますといいつつ、雑な緑茶を雑に飲んでることが多かったので緑茶深掘りするか〜と思ったりしてたので本当にいい機会でした。
7T+さんはですね、なによりオーナーの話が面白かったです。当初、お茶を買うだけのつもりだったんですけど地理と農業、マーケティングなどなど様々な観点から含蓄のある話をしてくれるというね。人と話すのあんまり得意じゃないよって人にはつらいかもしれないけど、私は結構こういうの好きなのでめちゃくちゃ楽しめました。
お店出たら2,3賢くなった気がします(この感想がもう既にすごいバカっぽそう)
そういう意味で買い物をする以上の体験があるな〜って感じでした。めちゃくちゃ楽しいです。私もまた京都に行った際には再訪問したいですね。おすすめです。