カルロ・ロヴェッリの本『世界は「関係」でできている』を読んだ。
『読んだ』だけで、理解したとはとても言えない。 それでも、ものすごく面白かったし、理解する必要はないと思った。
わからないものをわからないまま聞き流せるなら、苦痛ではないと思う。
もし、あなたが突然「オフチョベットしたテフをマブガッドしてリットする」と言われても「ふーん、そうなんだ」と、とりあえず眺めていられる人なら、多分向いている。
シュレーディンガーの猫、知ってるけど、わからん
シュレーディンガーの猫。
知らないオタクいる? というくらい、有名な言葉だ。 HELLSINGにも出てきたし。 でも、理解している人は少ないんじゃないだろうか。
以前から、二次創作のことをシュレーディンガーの猫っぽいな、とは思ってた。 しかしそれは『開けてみるまで推しカプが付き合ってるかどうかはわからんやろがい』という意味の雑な認識だった。
私のしていたようなシュレーディンガーの猫の理解(誤解)って結局「見てないんだからどうなってるかは謎だろ」「でも、見てないから知らないだけで生きてるか死んでるかは決まってるやろ」止まりの古典物理学寄りの理解だが、本当は「死んでいるか生きているか」じゃなくて、「死んでもいるし、生きてもいる、重ね合わせの状態」なんだって。
あらためて説明されてもまったくわかりませんね。
それがこの度、オブザーバブルという概念を得て、自分の二次創作が量子論になった。(うそ)
量子物理学ってなんなんだ
めちゃくちゃ小さい世界――見えるとか見えないとか以上の世界(ミクロ)で起こっていることは、私たちの認識する世界(マクロ)とはまったく異なる挙動をするんだって。
それが、たとえば「Aでもあり、Bでもある」シュレーディンガーの猫で喩えられたが、量子論的には実際起こっている、という話らしい。 なんらかの例え話だとは思ってたけど、量子論だったのか。 ※そのレベルで読み始めた。
では、量子論の超専門家で超最先端にいる、著者のカルロ・ロヴェッリはどう説明してくれるのか。
「俺にもわからん」らしい。
冒頭で「わからん」と言ったあと、考え方についていろいろと述べる。自分の、他人の、さまざまな仮説を述べる。さまざまな人のさまざまなエピソードを述べる。 そして、「やっぱりわからん」て言って終わる。
量子物理屋さんでもそうなのだ。 これはちょっと衝撃的な意外さだった。
科学の専門家って、非専門家を「まだそのレベルにいるの?」みたいな高みさら見ている人のことじゃないの? (偏見)
印象に残った概念(未理解)
量子リレーション、非局所性、エンタングルメント、量子もつれ※どれがどれだか記憶が混在している
2つ以上の量子(粒子)がどれほど離れていても、互いに不可分な強い相関を持つ現象
これを聞いて真っ先に、双子を想像し、双子がテレパシーで交信している所を思い浮かべた。が、
🫵︎( ◜ω◝ )それ、完全に間違ってますよ。
片方が思念を飛ばしたから片方が受け取る、というようなものではなく、
本当に“瞬時に”、“距離を無視して”そして“意志を介さないで”起こる。
つまり「影響が伝わる」というより 「なぜか同時に同じ状態になる」という方が近いらしい。
( ◜ω◝ )は?
全然わからん。怖いですね。
オブザーバブル(観測可能量)
観測できる量だけが「物理的に意味を持つ」。
たとえば、
東京にいた。(事実)
大阪に着いた。(事実)
でも、そのあいだは飛行機なのか、新幹線なのか、自転車なのか、ヒッチハイクなのか、どこでもドアなのか、誰にもわからない。誰も見ていないので。
私の二次創作、オブザーバブル間にねじ込みすぎ……?
オブザーバブルの考え方、私の二次創作同人誌すぎる。
原作で描かれた出来事が“観測済み”
描かれていない時間は“未観測”
だから、 二次創作はそこに入り込める。
たとえば、原作1話と原作2話がある(観測済み)その間は誰も見てない。(未観測)
つまり、ここに推しカプをねじ込む余地がある。
Q.E.D.
( ◜ω◝ )なにいってんだこいつ
学パロ、女体化、転生とかを個人的にやらながちなのは「最終話と接続できないから」。 他人の描いたのを見るのは好きです。
でも自分は観測され、確定している原作に矛盾しない二次創作をやっていきたい。
( ◜ω◝ )本当に何言ってんだ
読了した
Audibleがオススメ
とりあえず、一旦オーディブルで読了した(帰りの電車ではほとんど寝てた) たぶん、また聞くと思う。
ロヴェッリの語り口は軽快で、「久しぶり、元気?今はジャンル違うけど楽しそうにオタ活してんじゃん」の感じがある。会ったことないけど。
余談:シュレーディンガーの濃すぎる私生活
帰途の電車が最寄り駅に着く頃、あとがきで語られるシュレーディンガー本人の逸話が強烈すぎて目が覚めた。
妻と、妊娠中の愛人と、その愛人の夫(弟子)で一緒に暮らそうとして大学側にドン引きされ、 別の大学へ行ったものの、そこでも学生との関係で揉め……
情報量多すぎる、なんやこいつ。
本編の記憶全部消えた。
まとめ
この本は「量子物理学が好きな人」が読んでも面白いと思う。でも、「量子物理学ってなんや」レベルの私でも楽しめた。
無知な人でも楽しめるが、断じて入門書ではない。
ロヴェッリは、「やっぱり量子わからん」という。 数式は、ほとんど唯一、ただひとつしか出てこない。 わからないけど、難解じゃない。難しいんじゃなくて、ただ「わからないな〜」と思う。
ホラーほど怖くなく、 ファンタジーよりも現実に近い。
でもとても信じられないような不思議な世界について述べてくれる本だった。
Audibleでカルロ・ロヴェッリ(著), 冨永 星(訳)の『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』を聴こう。https://www.audible.co.jp/pd/B0FF3H3KDH?source_code=ORGOR69210072400FU
紙版またはkindleは下記(unlimitedにも入ってるみたい)