4月某日、バンクーバー発東京羽田行きのANA便。搭乗口から機内に乗り込んだ途端、そこはもう日本だった。ピシッとお団子にまとめた髪のキャビンアテンダントが物腰おだやかな話し口調で対応してくれる。乗客もおだやかで日本的だった。私が頭上の物入れに荷物を入れるのに苦戦していたら、斜め後ろの席の白人の乗客が日本語で「手伝いましょうか?」と助けてくれた。地球上のどこの上空を飛んでいようと、ANAの機内は日本そのものだった。
一方、帰りの飛行機はユナイテッド航空便でまずはサンフランシスコへ。成田空港から機内に乗り込んだ瞬間、そこはもうアメリカだった。身体がひとまわり大きくて英語で話す人々が思い思いの服装でゆったりすごしていた。搭乗の際に前を歩いていた人が、着席している別の人にぶつかった。Sorryと言った後に、「アラ私、あなたの後ろの席だったわ」と言って談笑していた。こういう朗らかな談笑はANAの機内では起こらないんだよなぁ。