「通勤」と「その他のアクティビティ」を純粋に比較できるようになったことが、リモートワークの普及によって一番変わったことだと思う。
「その他」というのは「自分の体調」だったり「家族やパートナーのケア」だったり「趣味やプライベート」だったりする。これまでないがしろにされていたというか、無意識に「仕事(=通勤を伴う)がいちばん大事」「なんとしてでもその場にいなければならない」という概念が、相対的に比較可能になった。
リモートワークが普及した世界では、「通勤時間をかけてまで現場にいることによる効用」とその他の活動の重要さが比較される。もちろん、その場に行って何かをやること(初対面の人に会う、人を励ます等)の効用が大きい場合もあるので、その場合は行った方がいい。そうでない場合は、通勤時間および通勤による機会損失と他のアクティビティとの重要度を比較して、行くか行かないか決めることができる。(もちろん、職場のポリシーによります)
何が言いたいかと言うと、これまでは通勤は不可侵領域として、人々は無思考に受け入れていたなあということに気づいたんですよ。でも、リモートワークができるようになったことによって、仕事と通勤(&出社)を切り離せるようになった。仕事はするけど通勤はしないということが可能になった。そして通勤によって失われていた機会と、通勤によって得られる機会を純粋に比較できるようになった。だから、人々は「出社」と「その他」を天秤にかけるようになったんだなぁ、と、大雪の影響でリモートになった授業を受けながら思ったのでした。