今年の三んが日は見事に寝正月だった。
元旦から地震だの飛行機事故など物騒な年明けだった。ネガティブなニュースは感情が引っ張られるのであまりテレビは見ていない。
配信者のアーカイブ配信などをラジオ的に流しながら、スマホで誰もしらないようなインディーズゲームをダウンロードして時間を潰す日々。おそらく3日もしないで飽きるだろう。実に非生産的な正月だと自分でも思う。分かっているが別にそれでいい。
今日は4日。このままじゃさすがにあんまりだなぁとわずかに残っていた自制心が働き、家から一番近いスタバに来た。
唯一、顔見知りで話しかけてくれる定員さんは今日はいない。少し期待していたので残念な気持ちを抱きながらドリップのホットを頼む。
正月明けからスタバでカタカタしている意識高そうな人達に囲まれてコーヒーを飲んでいたら、なんとなくやる気になってきた単純な自分。
環境を変えるだけで気分はかなり変わる。日記なんか書き出しちゃったりして。
ふと顔を上げると、斜め前の席にどこかで見た事あるような女性がパソコンで作業をしていた。
思い出した。
中学の時に数ヶ月だけ付き合っていた彼女に似ている。今振り返ると中学生の付き合いだし、特に何もしてないノーカウントみたいなもんだったけど。覚えられているかどうかも怪しい。
卒業してからは疎遠で連絡先も知らない。地元で絡む人のコミュニティも違うので何をしているのかも知らない。
10年以上前だから本人かは確証は持てないけど面影はある。話しかれば1発でわかることだけど、万が一にでも別の人だった時に気まず過ぎて生きていけないので話しかけることは絶対ない。
というか、そもそもこういう絶妙な知り合いに久々あったときには知らんふりをするタイプだ。
気づいてからは意識はしてしまう。なるべくそちらを見ないように脳死でInstagramを開く自分。
そういえば、その子とは特にデートらしいデートはしてなかったけど、地元のスタバには何度か行った。
今ではドリップコーヒーしか頼まないけど、当時はフラペチーノを狂ったように飲んでいた。
ただ、その子は毎回ほうじ茶ティーラテ。しかも低脂肪ミルクにカスタムする意識高いJCだった。
そんなことを思い出しながら、ちらっと女性の手元を見ると店内グラスを断って頼んだであろう容器にはほうじ茶ティーラテのラベルが貼られていた。
熱めの確定演出に1人で勝手に盛り上がる。話しかけはしないけど。
そんなこんなで暫くして、おかわりのワンモアコーヒーを頼んで席に戻ると彼女はいつの間にかいなくなっていた。
こちらに気づいていなくなったのか、気づいていなかったのか、そもそも全くの知らない人だった可能性もある。話してないのでそれも分からないけど。
誰に話すわけでもないけど、そんな偶然に出会った日。
なんだかんだ、良い年になりそうだなと思った年始。