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日記(2026/9/12-9/13)那須

八月の光
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公開:2026/9/13

2026/9/12(土)普段よりは少しゆっくり家を出て、上野から新幹線に乗って那須塩原へ行く。10時頃に到着。登山のための前入りなので、それほどせかせか動き回るつもりはないのだった。那須は何度か来たことがあるし物珍しいということもない。那須塩原駅から車で1時間弱の塩原温泉をしばらく散歩。「とて焼き」というご当地フードを。これは青果店が出しているものだけあって、フルーツが豪華で、クリームもそれほど甘くなく美味しい。

 塩原温泉は箒川沿いにあり、たくさんの吊橋がある。吊橋を渡っていると、川沿いから橋の写真を撮る人の姿が見えたので、両手を大きく振ってみる。誰かがカメラを構えていると、何かしらポーズを撮りたくなる。誰かの写真の中に手を振っている私が写り込んでいるはず。

 那須湯本方面へ移動。森の中にひっそりとあるパン屋にて、クリームチーズと胡桃のパンを買う。ハードな食べごたえで大変よい。ふわふわ系パンは好きでない。猫も杓子もふわふわ系の世の中には不満だ。入りにくいところのあるので(入口を見逃しやすい)、何度も行っては来てを繰り返した。

 史跡「殺生石」は以前も来たことがあり、また来てみたかった。車を近くの駐車場へ停めて歩いていくと、硫黄の臭いが流れてくる。ここは千体地蔵が有名で、実際は800体程度らしいのだが、賽の河原に居並ぶ地蔵が壮観な場所。

 さぞ由緒があるのだろうと思えば、実は一体目が安置されたのは1970年代で、比較的新しい観光地のようである。どの地蔵も手を合わせて念仏を上げている。不自然に手が大きいが、祈るために作られたのであれば、その道具たる手が大きくなる意匠は自然。

 殺生石の目前に日帰り温泉「鹿の湯」がある。ここは初めて来る。41度から48度までのお湯があって、色んな温度を楽しめる。硫黄の臭いが充満している。46度に何度かチャレンジしたけれど、熱すぎて無理。足を浸からせるだけで限界。居合わせた見知らぬ人と、熱すぎですよねえ、むりむり、と笑い合う楽しい時間過ごす。

 お宿は、殺生石近くの民宿街の中にある。格安なのでまあ多くは望むまいと思っていたところ、言われた番号の部屋に行ったら見知らぬ男性がテレビを見ているなど(えっと、どういうことなのか)、アトラクション的。おかみさんのキャラも濃くて面白い。お世辞にも清潔な宿は言えないが、まあこのお値段なので別に文句は言わない。耐えられないほど汚いというわけではない。

 近くのレストランで夕食を済ませ、スーパーで明日の登山のための買い物など。スーパーも観光客らしき人で混んでいる。民宿にお風呂はなく、近くの公衆浴場へ行くのだが、この浴場が非常に良い。鹿の湯と同じ源泉だということなのでお湯は良いし、木造の浴室が夜の闇で薄暗いのが非常にいい雰囲気。混んでもいないのでゆっくりお湯を味わう。近くのコンビニで買ったビールを飲んで、フォークナー「野生の棕櫚」を読み終えて、早めに就寝。壁が薄くて隣の部屋の話し声が丸聞こえで、しかも酒が入っているのかなかなか騒々しい。10時を過ぎてもうるさいので、どうしようかなあ、声をかけようかなと思っていたら、おかみさんが「明日の朝早い人(私のことだ)が寝ているから静かにしてあげて」と言いに来てくれた。

2026/9/13(日)おかみさんからは朝は勝手に出ていっていいよと言われていたので、6時前にそおっと宿を出ようとしたところ、結局起きてきてくれたおかみさんが見送ってくれた。古くてお世辞にも綺麗ではない民宿だったけれど、那須岳登山の時はここを常宿にしても良いかもしれない。何しろ安いし、近所の温泉が素晴らしいし、おかみさんも個性的で面白い。

 6時半に峠の茶屋登山口登山口へ到着。駐車場は半分以上埋まっていた。さすが人気の山だ。天気は予報では霧または曇り。

 これから向かっていく旭岳。ガスっている。

 駐車場からの道はなだらかな登り。あっという間に那須岳(茶臼岳)の登り口に到着。山頂までガレ場が続く。那須岳の火口は鉢状になっていて、周りを回ることを「お鉢周り」と言う。見事にガスっていて鉢の底は見えずだった。

 山頂。ここでガスが流れて青空が見え始める。先週の権現岳でもそうだったが、結局お天気に恵まれるのだった。

 山頂からロープウェイ駅方面へ降りる最中、目前に雲海が。絶景に立ち去り難さを覚える。

 ロープウェイの営業が始まったので(8時半からだ)、徐々に人が増えて来るであろう。ロープウェイの最初の便が到着する前に、那須岳の周囲をめぐる道へ。

 まだ紅葉は始まっておらず、晩夏の気配だ。綺麗なお花たちに癒される。リンドウの花を登山道でよく見かけた。青い花がなんとも鮮やかで愛らしいのだった。前を行く人も後ろから来る人もおらず、風を切る音と草が揺れる音だけが満ちている。

 晴れたりガスったり。刻々と景色が変わるので、飽きない。

 那須岳を歩き終わると、次は旭岳へ。ここからは随分と道の様子が変わり、赤茶けたゴツゴツとした岩の道になる。両側が切り立った稜線なので、少し緊張しながら進む。

 崖の道。一人しか通れないので、譲り合いながら。

 旭岳の山頂へ着いたが、ガスが出てきた上に羽虫がすごいのですぐに退散して、次のピークの三本槍岳方面へ向かう。旭岳までは人が多いが、ここからはだんだん行く人も来る人も減っていく。登山道の様子が変わって、周りは背の低い松。いくつか尾根を超えると湿原が姿を現す。三本槍岳のピークが見えているが、帰りの新幹線の時間を考えてここで引き返すことにした。

 戻る途中、今まで歩いてきた尾根と、旭岳、那須岳が見える。

 さくさく歩いて駐車場へ戻る。距離は10キロほど、累積標高差も1000メートル以下とのんびりしたトレッキングだった。今日も「鹿の湯」で汗を流してから、近くにある有名なステーキ店でランチに。これが今回の旅行の最大の贅沢、和牛ステーキとハンバーグ。普段鶏肉と豚肉しか食べていないので、ああ肉って牛肉のことだったんだなあと思い出したのだった。ああ脂!

 ステーキ店の待ち時間が長かったのと、レンタカーショップの場所がわかりにくくて迷っていたのとで、ぎりぎり新幹線に間に合った。最後までバタバタとする。

 初日は那須塩原までの席を買ったつもりが実は宇都宮までだったり、2日目は登山口へ来たはいいが民宿に忘れ物をして取りに戻ったり(このタイムロスで三本槍岳まで行けなかった)、熊鈴を途中落として紛失したりとなんだかハプニング続きで締まらない旅行だ。全部自分のせいなのだが。自然相手のアクティビティを趣味にしている以上、終わりよければ全てよしとしてはいけない。9月、10月のトレッキング遠征はまだ予定があるので教訓に。

@augsutus
主に日記を書いています。