3日分の日記を書きたいが、6日と7日はエピソードが融合または混濁していて、どちらの日のことか思い出せない。
膨大な事務作業と格闘する。事務は体力である。期日が決まっているのでとにかく手を動かす。なんとなく喉に違和感があり(乾燥か、風邪か)、葛根湯とチョコラBB、ビタミン剤にて処置すると治った。風邪をひいている余裕なんてない。後輩ちゃんたちにまた差し入れをもらい、パワーももらう。
職場に泊まる。寝袋にももう慣れた。横になっても寝つけない。あれをやらねば、あれはこの段取りでやろう、あの件そろそろネゴらねば、あの件リマインドせねば、などなど横になってから色々なことが頭の中を巡りだし、目が冴えてしまう。
ここからは多分7日の出来事。夜中までかけて作った資料を持って、偉い人のところへ説明に行く。無事決裁をもらう。大きな前進だ。今までの半年間の膨大な作業が、この報告書1枚に収まる。それもまた事務であり、事務屋の本懐である。偉い人から最後に「関西出身?」と聞かれた。時々イントネーションに出るらしい。思えば最近「関西の方ですか」と言われることが増えた。人前で話す機会が増えて、一生懸命話しているとどうしても出てきてしまう。上京して10年で訛りは消えたと思っていたが、まだ根は関西人だったようだ。
新卒部下T君、採用されて8ヶ月目に入るが、やはりなかなか厳しい。採用時の人事配置の失敗と言ってしまえば責任逃れだが、部署特性(非定型業務しかなくマルチタスク能力必須)と彼自身の特性(状況変化に弱くパニクる、マルチタスクが不得意)の不一致がはっきりと出ていて、実害も出ている以上、組織として手を打って欲しいのが本音だ。部下育成できていないという負い目も当然ある。上司としての責任をうっちゃるほど恥知らずではないつもりだが、4月から彼を見てきて、もはやこれは彼の努力や意思でなんとかなるものではないのではないかという思いが強い。彼のためにも、彼の特性に合った業務内容の部署に異動するべきなんじゃないかと思うが、そもそもが人手不足なので、そう簡単にはいかないだろう。最近は彼に対する周囲の視線が厳しくなり、至って真面目な性格の彼自身もつらいだろうし、本来ならば彼に任せたいイージーな仕事をもやらねばならない私もつらいのが本音。
通勤電車にて「カラマーゾフの兄弟」を読み進める。この小説はやはりどこを読んでも面白いのだった。全ての文章が突出しているという稀有な小説である。今読んでいるのは江川卓訳だが、既読の亀山訳・原卓也訳と言葉の選びがやっぱり違うと感じる部分が多い。江川卓訳は、他の2つに比べて率直な印象がある。
8日、土曜日だが出勤。デッドラインに間に合わせるために、休日返上で働く。別用で同僚も出勤しており、時折愚痴を言い合いながら仕事する。どうしてもじっくりと時間をかけなければならない作業があり、電話や来客がない分仕事が進む。16時に退勤。
髪の根元がかなり厳しくなってきたので、帰りにいつもの美容院でカラーリングとトリートメントをする。担当してくれた女性、話しているうちに「高校2年からコロナで、ずっとオンライン授業だった」という話になり、私は内心(えっ高校2年でコロナ?)となる。落ち着いているので20代後半くらいかなと思って話していたら、もっとお若かったのだった。思えばちょうどその頃、私は20代後半で、採用担当として高校生や大学生とこれでもかと面接していた。あの時に採用した子達が彼女くらいなのか、と思うと時の経過を感じる。あの時採用された子達は全国に散ったが、元気だろうかと少ししみじみする。
髪が綺麗になって気分が良くなり、駅までジョギングをし、回転寿司を食べて帰った。走ってビールを飲む元気があるのであれば、まだまだ大丈夫だろう。