8時半に当直下番。大事件はなかったが、小事件はあった。何も起こらない平和な当直というのはないらしい。10時前に自宅に着き、ささと着替えてジムへ行った。背中と足のメニューを20分程度やる。スミスマシンでスクワットをしたかったが、今日はスミスマシンが人気だったので諦めた。
家に戻りまた着替えて、再び駅へ。神楽坂にあるタイ料理店へ行く。この店の激辛グリーンカレーが好きで、数年前は頻繁に通っていた。公私ともどものストレスで頭も心もやられていて、激辛を食することによって分泌されるセロトニンに病みつきになっていたのだった。そして、また最近激辛を体が欲するようになっている。一時期通い過ぎていたせいが店員に顔を覚えられているようで、デザートを今日もサービスしてもらう。

相変わらず容赦のない辛さ。存在感を放つ赤い唐辛子。青唐辛子も入っている。唐辛子が刻まれて種が入っている時点で、見た目が強い。焼いたナスやタケノコ、やわらかいチキンが入っている。こういうのは辛くても水を飲んではいけない。水を飲むと辛さの成分が満遍なく口の中に広がり、更に辛くなる。辛い、舌が痛い、と思いつつ、脳から何かが出てくる感じを味わいながら食べる。
それから、クラフトビールが飲める近くのバーに行こうとしたが、やっていなかった。少し逡巡してからエビスバーに流れて琥珀ビールを一杯飲み、神楽坂を登り切ったところにあるカモメブックスに寄って、清野とおるの「壇蜜」を買って帰った。電子書籍でも買ったのだけれど、面白い漫画はやっぱり紙でほしい。やっぱり「壇蜜」は面白かった。スーパーで買い物をして帰り、大根と鶏の煮物を作ったり、明日の弁当を作ったりなどする。合間に洗濯をしたり、DAISOで買った材料でクリスマスリースを作る。玄関に飾った。

トーマス・ベルンハルト「アムラス」を読む。「アムラス」と「行く」の二つの中編が収められており、ベルンハルトおなじみの反復・反転・誇張・増幅の語りの世界を楽しめる。「Japanese Breakfast」のミシェル・ザウナーのエッセイ「Hマートで泣きながら」も少しずつ読んでいる。ヨーロッパ系アメリカ人の父と韓国人の母を持つミシェルが、母を亡くしその傷を癒すまでを描いた体当たりのエッセイだが、彼女の母を語る時そこに必ず韓国料理がある。これがすごく美味しそう。韓国社会の描写も生き生きとして面白い。アメリカ育ちで白人の容姿も引き継ぐミシェルの、彼女の目から見た韓国社会の姿も興味深い。彼女のアルバムの明るい旋律の奥にある暗さの一端を知るエッセイ。