日記(2025/11/30)

八月の光
·
公開:2025/11/30

 調子がよくなく早めに就寝したが、夜中に悪寒で目が覚めた。熱を測ると39度近くある。ああこりゃいかんな、と思い、喉の渇きをポカリスエットで癒して、また寝る。インフルエンザワクチンを打ってここまで副反応が出たことはなかったが、疲れの蓄積がこうさせるのだろう。高熱特有のせん妄がある。悪夢を見ても結局は仕事のことである。

 朝になっても熱は下がらず38度ほどあるが、解熱剤を飲み仕事へ行く。4時間だけと決めて仕事をする。経費の精算書類を作ったり、調整資料を作ったり、予算要求資料を作ったり。途中解熱剤が切れてだるくなる。何をそんなに仕事することがあるのかと思うのだが、調整業務が膨大にある。大量の書類作成に時間を費やしている。ここは「よい紙を作る=よい仕事をする」という価値観の業界で、そしてそれは典型的なブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)である。時折畑を耕して、土に触れながら働き暮らしたいと思うことがあるが、プランターの植物すら枯らせてしまう私には無理な相談である。データと数字をいじくり回しながら、無機質な畑を耕しているフリをしている。

 帰宅途中、寿司を食べたい気持ちと体の怠さを天秤にかけ、寿司を食べたい気持ちが勝り、寿司を食べた。寿司でしか癒せない種類の疲れ。

 軽いものを読みたく、「家が呼ぶ 物件ホラー傑作選」を図書館で借り、電車の中で読む。中島らも、京極夏彦、小松左京など錚々たるネームが並ぶ。趣向を凝らした各短篇がなかなか面白い。

 サミュエル・ベケット「モロイ」も引き続き読む。最初の語り手モロイの旅はひとまず終わったように見える。足を引きずって歩くことのままならないモロイは、語ることそのものを前進の支えにするようにして、語る。語り手は変わり、打って変わって理性的な語りとなるが、果たして。

@augsutus
主に日記を書いています。