本を読むことが昔から好きでしたが、何を読んでいたかというと、子供の頃は児童書を、高校生の時に江國香織の本をよく読むようになり、大学生の時には浅田次郎と伊坂幸太郎をよく読んでいました。
フィクションであればジャンルにはあまりこだわりがないつもりなんですが、好みの文体の範囲がわりと狭いです。そのため、好きな作家を見つけるとひたすらその人の本を集めるわけですが、当然限りがあるので、常に好みの文体の作家を探しています。
見つけるにはとりあえず読むしかなく、新規開拓しようと思うと、たくさんある本の中からどう選んだらいいものか。本屋さんに行って、そこの書店員さんが推してるらしいものを選んでみたり、本屋大賞を参考にしてみたり。このミスも面白い本が結構ありますよね。
あとは表紙買いもします。表紙の力を信じていると言いますか。表紙って、その本を端的に表していると思うんです。その本において一番初めに読者が出会うものなわけで、内容や雰囲気を言葉ではなくイメージで、とても分かりやすく明示してくれている。それが中身とかけ離れているなんてことはそうそう無いはずです。だから表紙を好きだと思ったら、内容も好みなんじゃないか。そう思って、表紙だけで選ぶことも時々します。
まあ、好みだったり好みじゃなかったりするんですけれども。でも同じ選び方ばかりをすると同じような本ばかりになりそうで、思いがけない本に出会うためにも、本の手に取り方はいろいろあったら良いんじゃないかなあなんて思っています。
あともう一つ、時々やることがあって。
元は好きな小説サイトの管理人さんがやっていたんですが、この金額、と決めたお金を持って本屋さんに行って、その金額ギリギリまで本を買うっていうことをたまにしています。
特に読みたい本があるわけでもなく、本が読みたいわけでもないけど、本を買いたい。そんな気分の時もあって、本を買うためだけに本を買いに行く。そういう時にしたりします。本が読みたい時にもしますが。
設定金額は基本的に一万円にしています。なんとなく。実際にやっていると、私にとってはそれくらいがちょうど良い感じです。
そういうわけで一万円を握りしめて本屋さんに行くわけですが、私は基本的に文庫本を買うので、一万円ってなると十冊以上になります。気になっていた本を買って、好きな作家の新刊を買って、それでもまだ半分いったりいかなかったり。
まあ今回は半分でいいか、とはならないので、残りの金額を使い切るべく店内をうろうろしては表紙で選んでみたり人気ランキングを見てみたり。
一時期ジェフリー・ディーバーをよく読んでいたこともあったのですが、そういえばジェフリー・ディーバーの本と出会ったのも、この一万円チャレンジ(と私は呼んでいます)の時でした。
例によって店内をうろうろしていた時に、ふと帯が目に止まったんですね。リンカーン・ライムシリーズの一冊目の帯でした。児玉清さんが絶賛だったか推薦だったか、詳しいことは忘れましたが、とにかく児玉清さんがこの本を面白いと言っているという、そういうことだったと思うんですけれども。
私は特に児玉清さんのファンというわけではなく、それどころか前の記事で書いたようにあまりテレビを観ていないので、そういう人もいたかなくらいの認識ではあるんですが、けれど児玉清さんがなかなかの熱量で推していそうな雰囲気をその帯から感じたもので、面白そうだなあと、流されるように手に取っていました。
一万円チャレンジをしていなかったら、そんなことはしていなかったと思います。元々チェックしていた本だけを買って終わり。リンカーン・ライムシリーズなんて気にも止めずに本屋さんを出ていたでしょう。
でも一万円チャレンジをしていたために私は何か私の本センサーに引っかかるものを探していて、その本と出会いました。
そして結果的にそのシリーズにハマってせっせと続刊を集めることになるわけですが、そういうことがあるので、一万円チャレンジ、なかなかオススメです。