今日から本格的に新居での暮らしが始まった。近所のクリエイトでヒッポカードを作ったし、7時までしかやっていないという勤労社会人に厳しいスーパーで食料品の買い物もした。
新居の傍には千戸規模の建売マンションがあり、おそらくスーパーとクリエイトもそこの住人の需要を満たすためにマンション開発の一環として新規にオープンしたのだろう。たまたま私の住むマンションはスーパーの真向かいなのでとても便利……かと思いきや、これがそうでも無いのである。
まず19時に閉まる、これはパートナーが残業にハマると「帰りに買ってきて~」が不可能ということである。また、今日は17時台に行ったのだが、スーパーでお馴染みの値引きシールの概念がないのである。夕方だから安くなってる魚とか肉とか存在しないし、ついでに惣菜の類も一切ない。そして現金払いである。
そして恐ろしいほど広い。引越し前によく行っていた24時間スーパーの50倍くらいある。ここは海外のスーパー経営シュミレーションゲームの舞台なのか?と思うほど広く、レジも15台くらいある。入口から入ってすぐのところに引くほどのカートが並べられている。土日はまさかこれらがかなりの量使われるのか?と思うと血の気が引く。なんなんだこのスーパーは。
これまでのように足りないものがあったらふらっと24時間スーパーへ……とは行かなくなってしまったので、気を引き締めて生活しなくてはらならない。
それから、引越しを機会に心機一転、パートナーも私も勉強を始めることにした。きっかけはパートナーが「物事の優先順位を決めたりしながらタスクをこなすのが難しい……」と話していたことで、私が解決法を調べていると、どうやら算数で習う順列組み合わせ・場合の数が苦手な人は大人になるとそういう悩みにぶつかりやすいらしい。パートナーは算数でつまづいてその後の数学もほぼ謎のまま大学へ進んだド級の文系なので、もしかしたら義務教育の算数・数学を学び直せば物事を論理的に順序だてて考える能力が伸びて、生きやすくなるのではないかという私の推測のもと、彼女は大人の算数数学振り返りドリルを開始したのである。
せっかくなら私も彼女が勉強している間なにかやろうと思い、もともと勉強……というかノートを取る作業は思考が整理されて好きなので、そのためのテキストを買った。私が選んだのは英検2級である。英検2級というのは高校卒業程度、ひいては社会生活に問題がない程度の英語力というのをラインにしており、ほぼ10年振りにまともに英語の勉強をする私はこの位から始めると難しすぎず、簡単すぎずでよいだろうと思ったので、これに決めた。

大体わかるが、問題に出てくる熟語などは知らないものもあり、丁度いい感じだった。
勉強中、向かいのパートナーがドリルを見ながら頭を捻っていたので、聞いてみると、台形の面積の求め方の式がどうして(上辺+下辺)×高さ÷2になるのか直感的にわからない……と言って図を書きながら悩んでいた。平行四辺形はわかる?と聞くとそれはわかった!と言うので、私はノートをちぎって台形たちを作った。

片方の台形をひっくり返してくっつけると、横の長さが台形の(上辺+下辺)の長さになる平行四辺形になるから、台形はそれを半分にして求めるんだよ、と教えると、パートナーも合点が行ったようでスッキリと腑に落ちてくれた。せっかく作った台形くんは勿体ないので彼女のドリルの栞になった。
穏やかな生活だ。大人になってから振り返る学生時代の勉強は、ちょっとこそばゆくて、でも少し、ワクワクする。