今日は、不動産屋の重要事項説明を受けた。とはいえ、今はインターネット上でzoomのようなサービスを利用して行うため、私は十数分、担当者の説明に「はい」「問題ないです」と答え続けただけで難なく終了した。
その後、届いていた書類のうち返送が必要なものに借主としての情報を記入し、捺印した。連帯保証人である父の印鑑証明書と共に取りに行った住民票の写しも書類と共にレターパックに入れて、返送した。
同封されていた書類には、敷金や家賃、仲介手数料などの振込先と額面も書かれていた。11月初旬に引っ越す予定だが、どうも最初の振込は12月分の家賃まで入れなくては行けないようで、およそ100万近くが口座から消えていった。
新居ではパートナーと二人暮しのため、半額は向こうが家賃を負担することになっているが、共同契約の形が取れない以上、建前上の契約者は私個人となる。つまり、一旦私の口座から家賃を振り込んで、半額分をパートナーに私の口座に振り込んでもらうという形になる。
パートナーの貯金がまだ心もとないことから、新居のインフラの準備や家具の設置などをすべて任せる代わりに、敷金や仲介手数料は私もちとした。覚悟はしていたが、振込み終わったあとの口座残高を見るとなかなかにショックを受けた。暮らすことには本当にお金がかかる。実家住まいの友人たちが(家族仲が良い場合は特に)あまり一人暮らしをしないのにも納得した。仮に私が一人暮らしをするとして、家賃が10万程度の物件を選んだとしても、初期費用に50万程度+家財もろもろでどんなに頑張っても70万くらいは飛んでしまうだろう。同世代の貯金額の中央値が100万を割っているらしい現実を鑑みると、これは大層な金額だと思う。
おまけに社会保険料も高いし、消費税もあるし、税金も高いし……と考えると、世の30代で子供を持っている人達は一体どうやって生活を維持しているのかと不思議で仕方ない。もちろん節約をしたり、住居費の安い家を選んだり、そういうたゆまぬ努力があるのだろうと思うが、そこに未就学児の育児という負担も発生するのだと思うと、到底できる気がしない。
もちろんそれでも出来ている人がいるのだから甘えるなと言われてしまえば子なし確定同姓カップルとしてはおしまいなのだが、私がへテロで男性のパートナーが居たとして出産する気になったかと言われればかなり難しい気がする。
気を取り直して。Twitterを眺めていて思うのは、あらゆる思想が飛び交っており、それはいいのだが、それぞれの言葉が強いのは困ったことだなと思う。部分的に同意できる意見でも、その意見の締めが「~だからこういう人はとっとと殺すべき」などで終わっていると「それは言い過ぎ」と思うし、そもそもその言葉遣いを見るだけで精神が疲れてしまう。
なにかもう少し洗練された情報メディアを見るべきだ、と思い立ち、BBCのニュースアプリをダウンロードしてみた。英国のものであるから、あたりまえに文章は英語である。なかなかホイホイと色んな記事を読むことは難しい。が、昨日の日本の選挙に関して取りあげている記事があったため、試しに読んでみることにした。
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適当な紙を取りだし、記事の英文を書き写してから意味を知らない語句をなるべく辞書で調べてみる。どうしてもわからない場合はインターネットも使用したが、辞書で大体は事足りた。途中からは原文を全て書き写すのはやめ、分からない語句だけをメモし、訳語をその下に記入しながら読み進めた。
大まかなところは日本のニュースで語られている総括と差は無いが、少し違う毛色の話もあった。記事は日本は東アジアの中でも長年自民党主導の政治、及びアメリカとの友好関係が保持されていたため、それが揺らぐことは近隣諸国、ひいてはアジアの国々にも影響を及ぼす可能性がある、と大雑把に言えばこのような事で締められていた。日本を俯瞰した書き口であり、なるほどな、と感じた。
日記を書くことはその日の自分を客観的にスケッチすることだ、とヤドカリのおじさんが言っていたが、このように海外メディアが報じる日本の様子を読んでいると、少しだけ日本国民という立場からヒョイと1歩離れた所に立った気分になる。もちろん気分の問題なのだが、家族が揉めているリビングを抜け出して、庭先からフムと家の外観を改めて眺めるような、そんな気分になるのだ。
しかし、外に出てみれば遠くで戦争の煙が上がっているのも事実であり、それらの問題はは逆に海外メディアを読んだ方がよく目にすることになるだろう。
まあそれでも、個人の意見が刃物のように飛び交うSNSよりは、少しはマシだろう。日本の核兵器に反対する活動を続けていた協会が日本では50年振りにノーベル平和賞を受賞したこともBBCの記事を見て知った。合わせてWSJのアプリも入れてみたので、興味の引かれた記事は、折に触れて読んでみようと思う。