はるかはるか昔から、ネコとヒトは互いに手を差し伸べあい、力を合わせて文明を進化させ、互いの文化を発展させてきた。
当然現代においても、ネコとヒトは共存共栄し、共同生活を営んでいる。
ヒトは生物学上の男女のかけ合わせにより遺伝子を繋いだ子孫を残していくが、ネコについてはこの情報化社会かつ科学の発達した時代に至ってなお、どうしたことか全くわかっていない。
彼らネコたちがどこから来て、どこに還っていくのか誰にもわからない。誰も知らないのだ。
ある日唐突に、ネコはヒトの家にやって来る。留守中に来ることはないらしい。必ず住人が在宅している時に来て、その日からいきなりの共同生活が始まる。
ネコがいつどうやってヒトの家に来ることが決まるのかも知られていない。ネコだくさんの家もあれば、ネコが全然来ない、ネコ縁のない家もある。
うっすらと「とある団体」がネコが家族の一因に加わることを関与しているという説があるにはある。しかしその団体については噂以上の情報は存在しない。
ただ、ネコとヒトとの長い長い歴史を見るに、有史以前から「とある団体」は存在しており、現在と同様の活動を続けているであろうとの推測に、各分野の研究者も含め世界に異論は出ていない。そして何故かそれ以上突き詰める研究者も出てこない。この世界は「そういうもの」だから。