僕が普段購読しているゲーム関連のWebメディアで、こんな記事が掲載されていた。
現状、Webでよく見るユーザーレビューの仕組みは”あるプロダクトが正常に動作するか、しないか”と、”あるプロダクトが有益か、無益か”という内容を、分けるようには作られていない。
もちろん、モノへ対する評価としては全てを総合的に勘案するというのが正しいのだろうけれど、僕個人としては、そこは別に考える必要があると思っている。
というか、分けておいてほしい、というのが正しいかもしれない。
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あくまでも僕の考え方に過ぎない、という前置きと言い訳を置いておくけれど、あるゲームに対して、次のふたつのようなユーザーレビューがあるとする:
「このARPGは、美麗なグラフィックを持っているとは言えないものの、キャラクターの成長パラメータが細分化されており、武器の種類も様々でカスタマイズ性も高いため、自分好みのビルドを構築できる。見応えのある多彩なアクションで全てを蹂躙出来るのも楽しい。しかし全体的なレベルデザインは単調で、エネミーのバリエーションにも欠けるため、リプレイアビリティは低いだろう。また、攻撃ごとの連携についてはより詳細なチュートリアルが必要だ」
僕から見れば、これは”評価”だ。
「インストールしたが、こちらの環境ではタイトル画面でニューゲームを選択した後、第1ステージのフィールド上にある丘の上でジャンプと弱攻撃を同時に入力すると、必ずゲームがクラッシュしてしまう。このままでは遊べないのでなんとかして欲しい。また同梱されているアンチチートシステムだが、これはシステムに無駄な負荷をかけ、マルウェアのような動作をするという話を聞いている。どんなディスカウントがあるにしても、正直購入はお勧めできない」
僕から見れば、これは”報告”だ。
そして、僕が訊きたいのは”評価”の方なのだ。
しかし現状の一般的なユーザーレビューのシステムは、この二つを区別しない、あるいはさせないまま、ユーザーへ点数付けするように要請している。
だから、1,000個のレビューの中に100個の100点”評価”があったとしても、900個の0点”報告”があれば、そのゲームの見かけ上の点数は低いように見えてしまう――それがもしかしたら、世紀に亘る名作なのだとしても。
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繰り返しになるけれど、お金を出して買ったものは正常に動く、というのが大前提で、それも評価に含めるべきだというのは僕も理解できる。
ただ僕としては、そのプロダクトを手に入れることで”何が出来、何が出来ないか”、”何が自分を楽しくさせたり、より良くしてくれる”かというような、ポジティブなフィードバックこそを、何よりも知りたいと思う。