Day5.優等生からふりーだむへ

あゆみ
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 1ヶ月書くチャレンジ5日目になった。今日は昼まで寝てしまった上に、夕方から泊まりで遊ぶ予定がある。再び継続の危機である。ちなみにこれは行きの電車内で書いている。時間管理、難しい問題だ。

 今日のテーマは「昔はどんな子どもだったのか」、今日遊ぶのは中学生の頃からの友人、というわけで、中学時代とその前後のことを思い出してみることにする。

優等生あゆみ

 私は神奈川県某市で生まれ育った。小学校では真面目ちゃんで通っていて、成績の良い優等生だった。教師からも一目置かれており、支援学級の子や、同じクラスの問題児の世話係もたいてい私だった。

中学受験との出会い

 そんな私の母が、ある日「中学受験」なるものの存在を聞きつけてきた。なんでも、この辺の小学生で頭のいい子はほとんど、私立中学校を受験して、そっちに出ていってしまうらしい。

 つまり公立中学校にはそれ以外の、失礼ながら頭がそこまでよくない子たちが集まるわけで……。

「絶対クラスで浮くじゃん!」

 クラスで浮いた子どもの行き着く先は、そう、いじめのターゲット。

 母が真っ青になり、私も危機感を覚えた。

 そんなわけで、私は母にその情報を教えてくれたママの子どもが通っている塾の入塾試験を受けた。その子よりひとつ上……というか、その塾の最上位クラスに受かった。ちょっと気まずかった。

女子中高一貫校という秘密の楽園

 塾で勉強漬けになったかいあって、私は県内の私立女子中高一貫校に入学することができた。女子校といえば、たとえば挨拶は「ごきげんよう」で、先輩に見初められて可愛がられる後輩がいたり、あるいは素敵な先輩の心を射止めるために後輩どうしの静かなバトルが繰り広げられたり……と妄想はつきないが、まあ半分くらいはただの妄想だった。

 それどころか、私が直面したのは、廊下を走りながらスカートをめくりあう同級生の図だった。……まあ、女子校に入学したとはいえ年齢が年齢なので、ね……。

「お昼一緒に食べませんか?」

 入学当初の私は比較的おとなしいほうの学生で、給食のない昼の時間、ひとりでお弁当を広げていた。しかし何日か経ってみると、同じようにひとりでお弁当を食べているクラスメイトが気になりだした。

 せっかく望んだ学校に入学したのに、ひとりぼっちなんてさみしい。きっとあの子もそうだ! 私は気合を入れて立ち上がり、ぽつんとお弁当を広げようとしていたクラスメイトの席に向かった。

「お昼一緒に食べませんか?」

 まあ、嫌と言われるはずもなく。その日はふたりで、次の日は別の子も誘って3人で……と食べているうちに、半年ほどで、そこから10年以上縁が続くことになる、11人の友達グループが完成した。

 ……当時の友達作りパワーは、今切実に取り戻したい「若さ」のひとつだ。

ふりーだむ三兄弟

 さて、そんなわけでわりと大所帯になった友達グループだが、女子の集団としてはゆるい結束力でのんびりと続いていた。

 遊びに誘って参加できない子がいても「まぁしょうがないよね〜」。遅刻する子がいても、早退する子がいても、「そういうこともあるよね〜」。

 そんな中で、特にこのグループの中で「ふりーだむ」、つまり自由人な3人を集めてきて、「ふりーだむ三兄弟」なるあだ名がつきはじめた。いや姉妹じゃないんかい! というツッコミはなぜかなかった。

 小学生のころは優等生で通していた私だったが、この女子校に入ってから、すっかり肩の力が抜けきってしまい、ふりーだむ三兄弟にランクインしてしまった。だが特に不満もなく、むしろそうやって話題にあげてもらえるのが嬉しかった。

ふりーだむ三男

 三兄弟とまとめて呼ばれるときは文句のない我々ふりーだむ三兄弟だが、いざ長男次男三男を決めようという段で問題が発生した。長男を誰もやりたがらないのだ。

「Aちゃんのほうが遅刻多いじゃん」

「Bちゃんは普段から言動が自由人でしょ」

「あのー、私は……」

「「あゆみは三男」」

「あっはい」

 なぜか私は三男固定らしい。ちなみに生まれ順でいうと私が長男なのだが、誰も触れなかった。

ほどよい友人関係

 まさに今、今日遊ぶ友人からメッセージが入った。友人宅の最寄り駅で待ち合わせなのだが、友人は自分の移動時間をすっかり失念していたらしい。あるあるだ。

 ふりーだむなのはどっちだ、というツッコミは置いておいて、こういうゆるい友人関係は、人生の宝だと思っている。

 中学受験を決意してやりとげ、クラスメイトをお昼に誘った私、よくやった。