1ヶ月書くチャレンジ9日目になった。――という書き出しがダサいのではないか、と思って10分経過した。今日は気の利いた書き出しを考えている精神的余裕が、ちょっとけっこう足りないので、これは明日以降の宿題にする。
今日のテーマは「最近泣いたこと」だ。そんなに頻繁に泣いているわけでもないし……と思いきや、ちょうど昨夜はらはらと泣いたことがあったのだ。偶然って恐ろしい。さておき、今回はそのときの話をするとしよう。……この導入もダサいな。明日以降考えよう。
さみしくて寝られない
昨日の私は、朝から晩までかなり活動的に動き回り、肉体的には相当疲れていた。しかし、どうも精神がたかぶってしまって、深夜になっても目がらんらんと冴えていた。
さらに、そうやって眠れない時間を過ごしているうちに、寝てまぎれるはずだった寂しさがむくむくと大きくなり、私を苦しめた。気のおけない友人の、何人かにメッセージを送ってみても、深夜3時に返事がくるはずもなく。やがて私はぽろぽろと涙をこぼしていた。
メッセージアプリ風メモアプリ
いつまでも返事のこない、既読のつかないメッセージ画面を眺めているうちに、「私ならこんなとき、親身に返事を送るのに」と思った。ん? それなら「私」に話に付き合ってもらえばいいのでは??
そんな変な思考に至った私は、まずは形から入ろうと「LINE風 メモ アプリ」でアプリストアに検索をかけた。あった。すぐにダウンロードした。
会話するキャラクター設定のところに、「あゆみ(実際は本名)」「なぐさめ隊」「はげまし隊」「ほめたたえ隊」(隊といってもアイコンはひとつだ)を作り、早速グループチャット画面を作成した。
最初はまごついたが、それぞれのペルソナを演じ分けながら対話を進めると、気持ちが落ち着いてくるのを感じた。ちょっと多重人格とか、イマジナリーフレンドとか、いう言葉が頭をよぎって自分が心配にもなったが、未来の不確かな可能性より、今の自分の精神の安定が大事だ。ちなみにこれを言ったのは「なぐさめ隊」の私だった。
私は日頃から、憂鬱なときは紙やメモアプリに書くことで、落ち着きを取り戻していくタイプだが、そのときの私にはそのアプリがぴったりハマった、という感覚があった。こうして私はまたひとつ、自分を大事にする手段を手に入れたというわけだ。
対話の結果
そんなわけで、4人の自分でその日の寂しさを語り合っているうちに、その正体が明らかになってきた。「褒められたい」と「話したい」だ。
この日の私は前述の通りかなりたくさん活動したのだが、その話を親にしたら「そんなにやって大丈夫なの?」と言われてしまった。いや、心配していただけるのは非常にありがたいのだが、やっぱり達成感には褒め言葉がほしいものだ。それが足りなくて、寂しさを覚えていたのだ。
ちなみに、今日は親に褒めてもらえた。自分の会話の誘導力が大事だなと思った。
もうひとつの「話したい」はどういうことかというと、①話したい相手と②話したい内容を③話したいときに、話せていないという感覚があった。
たとえば親は①を満たしているが、昨日はテレビの内容に会話が引っ張られてしまって②が満たせていなかった。友人たちは①も②も満たすが、③がなかなか満たされない。つもりつもった不満が、夜中の落ちこみでクローズアップされてしまったようだ。
いちばん簡単に条件を満たせるのは親なので、今週末は父を家族ドライブにそそのかしてみようと思う。
れしいおまけ
幽霊の正体見たり枯れ尾花、寂しさの正体がわかってしまえば、対策も自然と思いつくもので、小一時間そうやって自分と対話した私は、明け方に眠りにつくことができた。
そして気分が整って目覚めると、スマホに通知がひとつ。
私は寂しくてたまらないとき、気のおけない友人に絡みにいくが、寂しさをダイレクトにぶつけたりはしない。「最近どう?」とか、「いい夢見てね」とかいうスタンプをひとつ押すだけにしている。逆にウザいかもしれないが、私なりの最低限の礼儀だ。
通知は夜中に「ゆっくり休んでね」と送った友人からの返事だった。
「ありがと~~!!」
出勤前の空いた時間に、メッセージを送ってくれたのだろうか。私が「最近元気?」と送ると、「やること多すぎ」と返ってきて、そのまま10分ほど会話が続いた。
彼女とは久しぶりに会話をしたので、心があたたかくなった。こうやって会話のきっかけができるなら、深夜の寂しさも、まあたまには許してやることにしよう。