久しぶりのナイトウォーク。深夜徘徊は定期的にするけど、まあ楽しい。道のあちらこちらに倒れているゴミに近い酔っ払いを素通りしホームレスの群れを見つめると車椅子に座ったホームレスを発見。時代もここまで来たかと呆然、本当に自己責任でお願いしますな世界になったのを肌感覚で実感できるのも深夜徘徊の良いところ。
車ひとつ走りもしない道。飲み会帰りと思われる女性三人組の『カッコイイけど男を感じないよね〜、地元のカッコイイお兄ちゃんって感じ?』が時速60キロで駆け抜けた。それを微笑ましく見守ってから電車で地元に帰ろうと近くの駅に向かうとシャッターが降りている。どうやら終電を逃したらしい、記憶違いとは恐ろしいもので終電時刻10分違いの誤差で徒歩の帰宅を選ばされ普段、電車通勤してないのがこういうところで仇となる。
歩く、歩く、歩く。歩きすぎると腰が痛くなってその度に伊能忠敬リスペクトは止まらない。タクシーでの帰宅も考えたけど車酔いするし、もうどうせなら朝帰りしてやる気持ちが強くなる。ホストやキャバ嬢みたいなのと何回かすれ違っては朝になる前日を激しく体感。近くの公園で休もうとすると浮浪者がフラフラ〜と私に近付いてきた。背筋がゾゾゾっとしたけど『とりあえず何かあったら思いっきりブン殴る口実がてきた』と思ったら自然と口角が上がった。それを見て怖気づいたのかはわからないけど浮浪者は急に方向展開を決めて明後日の方向へ。自分が女性だったらと考えると令和は本当に治安がおかしくなりつつある。昔は本当に怖いその道のプロな人しか夜中いなかったのに対して今は一時の感情を我慢できない、する余裕がない明日さえ生きれないかもしれないアマチュアな精神を宿す人間が多く感じられる。
夜通し地元まで歩いてはみたものの当然足取りは徐々に重くなりガードレールに腰を掛けてみたり段差のある場所に座り込んだり、伊能忠敬パイセンを10分語る動画を視聴したり限界すぎて鳩を追いかけてみたりとしていたら近くの駅のシャッターが開き、たまらず乗車のマジ暇人。ホームの椅子に座ると左には靴を片方だけ脱いで寝ているお爺さん、右には肌の露出が多いギャルが倒れ込むように胸元をあらわにしていたので本能的に胸元を一瞥したのち爺さんの脱いだ靴を先ほどの罪を罰するために凝視。
始発の車内は香水やらシャンプーやらの匂いでわりと心地よく、夜の仕事帰りと朝の通勤を連想させた中で隣にいたギャル二人組の話が自分の中の穏やかさを一変させる。
『ワタシさ、30(歳)でしにたいんだよね』
「わかる〜、あと2年しかないの笑う」
自分の周りにもそう話してる、いた人を多く散見したが基本的に自殺か大病を患わない限り余裕で30歳は通過して長生き思考へとシフトチェンジするのが人間関係での体験として多く、リアルにしねる年齢は45歳と最近考えが行き着いたことをギャルから改めて再確認させてもらった朝5時半。最寄り駅近くのパン屋が思いのほか早く開店していたので朝食を済ませて無事帰宅。塩バターなんて存在も知らずに消えていった人たちのひとりに誰もが必然的になるのが死。
あと何年この景色を見れるのかという名残りとまだ見てない景色が沢山あるんだよなの期待が胸を支配し、人が少ない土地のアウトドアは最高だなと根っからのインドアは『人間全部いなくなるか早く自分がここからいなくなりたいわ』と自己中に今を、今しか必要ないと己の矮小さと向き合いながら生きる。