19日

あ 罪
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父が転倒し大怪我になって数日が経つ。片手の人差し指と中指の間が裂けてそこから小指にかけてズバーッと真っすぐ12針縫い、肋骨1本骨折。それでも本人はケロッとしているのでその丈夫な身体を羨ましく思う虚弱が一体うわの空。多分オレなら手首骨折しちゃうね!

そんな慌ただしい日々の中、尊敬と敬愛を持つイラストレーターのいのまたむつみ氏が急逝したけど身内における日々の忙しさにかき消されるようにまたもうわの空。下手をすると鳥山明くらい、もしくはそれ以上の喪失感があるはずなのにただ過ぎただけの1日として処理されている事実に【距離感】をひしひしと感じる。

その夜にLINEが急に鳴って相手は泣いてるし病んでるらしく、ああ、いかにも!な日常を取り戻したが遠回りな金の無心と都合のいい関係の延長を冷静に俯瞰で見れた自分が内心【あなた俺の周りで真剣に悩んでる人と比べたらそんなに悪い状態じゃない】と比べてはいけないものを比べた醜さに絶望しつつ金は貸さないしがんばってね、で通話終了。

優しくすれば見返りが来るのをなんとなく今までの人生で得てきたけど、ここ数年は安易な見返りを求めることに拒絶の意識が強い。男なら金、女ならセックスを獲得してきた打算なわけだが今は【その人が生きてると多分、その人の周りは楽しいし俺の人生も結果として楽しい】感情を得たのでいかに距離感が良く尚且つ【欠かせない】かで判断している。

最近は自分を聖母だと思いながら、誰が母じゃ!とトイレでひとりツッコミ。狭い部屋に反響する自分の声に耳をすませて下半身丸出しのまま再度うわの空。