ぼんやりとイオンの中を歩いていた。雑貨屋と言うべきか、ファンシーショップと言うべきか、ローティーンくらいの女の子が好きそうなものをズラリと並べたお店が目に入る。
私はローティーンではないが、なんとなく、そう、なんとなく店内に入りアクセサリーを眺めてみた。
へぇ。大人っぽいデザインが多いんだな。まぁ、大人ぶりたい年頃なんだろうね。ただ、作りの荒さが値段相応に安っぽくて、子供騙しのチャチなアクセサリー。
その中に「むしろ、チープさが売りです!」という顔をしたアクセサリーが目に入る。
そうそう、チープアクセサリーはこういう方が良いね。正々堂々と子供感で勝負している。ただ、ローティーンの子は「ダッサ!そういうのは一桁年齢で卒業したんで!」と言いそうでもある。
ただ、可愛い。この潔さに好感が持てる。そう思いつつそのアクセサリーの値札を見た。6980円。ん?ローティーンの子のお小遣いでは買えないんじゃないかな?
他の大人っぽい方のアクセサリーはほぼ1000円台。高くても3000円を切っているのにな。
チープさをあえて売りにしたアクセサリーは何種類かあったのでそれらの値札も見た。7980円。12800円。あれ?おや?
そうだね。パッと見はチープで子供っぽいデザインだけど、作りはかなり丁寧。女児心がありつつ、アクセサリーを色々見てきた大人の女性は実物を見ればきっとわかる。
ただ、誰向けなんだ?少なくともローティーン向けではないな?
一緒に来たお母さんを狙っているのか?
それとも、もしかしたら……私を直撃しに来ているのか?
結局その日は何も買わなかったけれど、私はいつかあのアクセサリーを買うかもしれない。