私が短歌を作るわけ

五月雨薊
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初めて短歌を作ってから11年が経った。2013年5月、Twitter(現・X)に投稿した短歌は、いまでも憶えている。

ペダル踏む君の背中に触れたくて触れられなくて夏は去りゆく

短歌を作ろうと思ったきっかけは、もともと都々逸を作っていて、短歌もいいかもと思ったからだ。都々逸は作らなくなってしまったけど、気がつけば短歌は11年も続けている。やっぱりNHK短歌の存在が大きいだろう。私の目標はテレビ番組『NHK短歌』に入選歌で取り上げられることだ。たびたび休憩しながら投稿は続けていて、何度かテキストに佳作で載せてもらった。

どうしてテレビで取り上げられたいのか。単純に承認欲求だと思う。私はブルースカイでは作った短歌をまめに発表することはしていない。ここ半年ほど、NHK短歌に投稿する作品しか作っていないということもあるけど、SNSで作品を発表してもよくていいねが1つ2つある程度だからだ。もちろん、いいねがあること自体は嬉しい。でもNHK短歌に投稿するために自分のなかの言葉を温めておきたい。

2022年10月には同人誌で第一歌集『気づけばいつも夢のなか』を少部数発行し、2023年上半期にはそぞろ書房さんで販売していただいた。歌集はまだ余っているけど、採算度外視で作ったものだから、あんまり頒布への意気込みはない。記念本なんかそんなものだ。

承認欲求のモンスターである私が、身の丈を知り、正攻法で努力を続けられるジャンル、それが短歌だった。NHK短歌で入選歌になってもゴールではないけど、あと少しでかないそうでかなわない目標はちょうどいいのかもしれない。