2025年12月5日

ba9co8
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公開:2025/12/5

考えることは海に潜ることに似ている。ことわたしのなかではそうである。その海の中にはいろんな……言葉になっているものもあれば、言葉になるまえのものもあって、そして深くふかくまでいけば遠くどこからかやってきたじぶんのものでもないものもある。その海に潜って、時にはそのまま、時にはつなげて、時には当てはめたものが文章になる。海の中は常世ではない。そこは自分のようでじぶんではない。海に接している、とある部分だけの浜辺は、自分だとわかる。それ以外は、わからない。もしかしたら自分かもしれないが、そうでないかもしれない。そうでなければ、息をつめて潜るあいだ、もしかしたら戻れないかもしれない、そんな恐怖を味わうことはない。潜らなければいい、そういう人もいるが、浜で干上がることもあるので、海に浸る必要がある。ごまかしごまかし、いけることもあるだろう。浅瀬だけでいいだろう。言いたいこともわかるし、バカらしいことをしている自覚はあるが、なんだかんだと波の下をくぐる。そこにはなんでもあって、なんにもならない。