2025年12月4日

ba9co8
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公開:2025/12/4

雪の上ですっころんでムチウチのようになった。髪を乾かすのと、結わう動作がなにかの罰かのようにつらい。新雪はふかふかでさらさら、その下のアイスバーンはかちかちのつるつる。あとはわかるな? そういうことだ。かけていた眼鏡も吹っ飛び、ポケットに入れていた鍵も放り出され、一人いまだ雪ちらつく空に放り出されると面白すぎて笑える。立っている状態で首をもたげて見上げる空と、地面と平行になって見る空は、広さが段違いなんだね。空って広いぜ。閑話休題。読まなきゃ読みたいと本棚で寝かせていた『ババヤガの夜』をやっと読んだ。読みはじめたら一気に読んでしまって、そして、ボロカスに泣いていて鼻呼吸ができない。こうした物語が本の中にあるだけでもどれだけ救われるだろう。本当は本の中だけでなく世の中もそうしていかなければならない。だけど、そうなるためにはどれだけの人がどれだけ心をおろし金ですりおろさなければならないんだろう。おい、アドゥレセンス黙示録か? 自分の足で学園を出て、自分の足で塀を越えていくやつか? それはお嬢さん。それでもやっぱり小説は傘になる。槍の雨降るこの世の傘だよ。やっぱり小説はこの世の中に必要です。な~にが任意の元号を冠した人文主義だ。小説を書いて小説を読め。ここ半年(かもっと長いあいだ)、わたしはすっかり鬼おろしになっていたけれど、ここ数日、少しずつ真っ赤に煮える鬼おろしくらいにはなってきた(?)。伝わらないことに癇癪をあげても、打ちのめされても、やはりまた言葉にしていくしかないのですよ。言葉を諦めない。とりあえず、『ババヤガの夜』はノーベル平和賞を受賞して、韓国ノワールで映画化されてください。