6日目

bebe_be8
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「理鶯の握ったおにぎりが食いたい」

「あー……美味いよな、あれ」

「だろう?」

「塩っけがちょうどいいんだよな」

「そう、今まで食った塩むすびで一番美味い」

わかる。わかるが、この話、今する必要があるのだろうか。

左馬刻は汗ばんだ肌を冷ますためにシーツの上で寝室の空気に晒しながら、思った。ほんの僅か前、つい今さっきまで、身体を重ね合わせて快楽を共有していたのに、随分とまぁ、淡白なことだ。別に甘いピロートークを望んでいるわけではないが、それにしたって。いや、いいんだけど。

ただこれが理鶯ではなく別の男の名前だったら、たぶん、ちょっと、そうだな、殴ってた。

手を伸ばした先、汗で額に張りついた前髪を指で除けてやって、その唇に己のそれを重ねることで、黙らせようと決めた。