モノドラコ。それはTRPGプレイヤーなら一度は聞いたことのあるレンタルスペース。
私はTRPGを定期的にプレイする人間なのですが、オフラインでのセッションをするということは、それなりの人数が集まる場所が必要不可欠です。それなりの人数というのはGM含めて2~5,6人ほどであったり様々ですが、それなりにいるのです。
その人数をどこへ収容するのか? オーソドックスなところでいうとカラオケボックスや、親しい仲ならGM/PLの自宅ということもあります。そしてもうひとつの選択肢がレンタルスペースなのです。
モノドラコさんへ行ってみた!
実は上野へ移転する開店当時から気になっていました。しかし、私は基本的にはテキストでセッションをするタイプの人間。オンラインセッションツールがあれば日々のTRPGライフに不便はないのです。
ですが2024年1月、ないし2月だったか、オフラインセッション予定がにわかに立ち上がりました。二次同人界隈で仲良くしているお友達3人が「TRPGやってみたいな(相互がTRPG沼に消えていく訳も知りたいな)」と言ってくれたのです。
じゃあ……やるしかない。約10年振りのオフラインセッションGMってやつを……。
個人的に、私がよくプレイするフルテキストのTRPG体験は、オフラインセッションで得られる体験とちょっと違うという認識です。どちらも楽しいですが、フルテキストセッションがごく一般的なTRPGかと問われれば数秒悩むことでしょう。ですのでお友達には、まずオフラインでのTRPG体験をしてもらいたかった。あとオススメのTRPGシステムを布教したかった。
ね。
前置きが長くなりましたが、こうして私はモノドラコさんの敷居を跨ぐことができたのです。
実際に利用してみて
この記事は当日のセッション記録ではなく、モノドラコさんを利用してみた感想文です。よかったところ、少し気になったところを備忘録として書き出しておきます。
ざっくりした感想としては、意外とゆるいんだなぁという印象です。
オープンの11時少し前に入店したところ、既に4,5名の利用者さんが受付に列を作っていました。そこに並んでいると受付のかたから「先に部屋に上がってもらって大丈夫です!」と案内を受けて、荷物を置きに指定されたプレイルームへ。TRPG&マダミスプレイヤーが信頼されている……というのをひしひし感じます。
モノドラコさんのサイトがしっかりした作りだったので、もっときっちり管理しているのかなと思っていました。このゆるさはお店側と利用者側に適度な距離感を生んでいて、使いやすくもあり、ゆるすぎてやや不安に感じる点でもありました。でも結局みんなセッション中は部屋にこもりきりになりますし、このくらいの塩梅が過度な締め付けもなく使いやすいのかもしれません。
よかったところ
なんといっても目的が定まった人たちしか集まらないのが素晴らしい。同好の士だけが集まるという精神的な安心感。店員さんもTRPGセッション利用と知っているので、カラオケ屋さんに行くときよりも心が軽かったです。利用者層がかなり絞られるものの、だからこそ得られるリピーターもいるのだろうなと思いました。私にとって「TRPGレンタルスペースに行く」というのは「テーマパークにいく」ことに類しており、このビルにいる人たちはみんな非電源ゲームが好きなんだ! というワクワクに繋がりました。
あとは店員さんからの丁寧な配慮が嬉しかったです。モノドラコさんの公式Xを見てわかるように、モノドラコさんはその日のセッション風景を写真に撮って紹介されたりしています。私たちの卓も写真に収めていただいたのですが、その際に載せる写真の確認と、「手は映ってもいいですか」「スマホが映ってますがどうしますか」などヒアリングしていただき、隠していただきたいものをスタンプで覆ってもらってからアップしてもらった経緯があります。
その他にも延長コードをお借りしたりと、いろいろとお手配いただきました。そういった優しい配慮がありがたかったです。
店員さん関連でいうと、TRPG用語がすぐに伝わるのも心強かったですね。今回はモニターを借りたのですが、繋げる際に「モニターにココフォリアの画面を映したいんですよね」と伝えるとすぐに接続端子を追加で持ってきてくださいました……スピーディーなお仕事で本当に助かりました。
助かるといえばドリンクバーがあって大助かりでした。私たちは三階部屋だったので二階にあるドリンクバーとはやや距離があったものの、ドリンクバーがあるだけで嬉しいです。1~2リットルのペットボトルを持ち歩かなくて済むので……。休憩のタイミングにもなりますしね。私は温かいリンゴジュースしか飲んでいなかったのですが、いろいろと種類があるのもよかったです。カラオケ屋さんでセッションしていた時代を思い出します。
場所が東上野で、駅から徒歩10分しないくらいの距離というのも利便性が高くて助かりました。セッション後の興奮冷めやらぬまま、雑談しつつ駅近くの打ち上げ会場まで移動できたので、ずっとセッションの熱が持続できましたね。
モノドラコさん自体も清潔感のあるルームが揃っていて「お店」という雰囲気を保っていて好きでした。TRPG系のレンタルスペースは他に1,2店舗行ったことがあるのですが、良くも悪くも生活感が強いところが多かった思い出があります。モノドラコさんはほぼ完全個室となっているからか、その生活感からうまく切り離しをしていただいてるなと感じました。TRPGは非日常的なものですので、お部屋からこうした切り分けがされているとありがたい限りです。
少し気になったところ
受付の目の前がプレイスペースになっているのはかなり緊張するな……とプレイヤーを交えて話していました。モノドラコさんは二階に受付(清算や備品レンタルを行う場所)があるのですが、その目の前に大きなテーブルが置いてあり、ゲームプレイを楽しむことができます。
気になったのはそのスペースにドリンクバーと女性用お手洗い、電子レンジやごみ箱など、他卓の参加者も頻繁に利用するものが置いてあることです。つまり、共用スペース兼プレイスペースになっている点。プレイする側も色んな人間が出入りするので気が散るでしょうし、入室する側もセッション中の風景に入るのは気が引ける……気配を消しながらドリンクを取りにいき、お手洗いに行ったりしていました。ついたてとか立てられないものでしょうか。
それと、受付の清算フローはもう少し整理して時間短縮できないかなと思いました。具体的にはモノドラコインのシステムがやや煩雑にしているように感じます。モノドラコイン自体はとても良いアイテムだと思っているので、例えば利用料金からすべてモノドラコイン支払いにして、いちばん最初にモノドラコインをまとめて購入するとか……と考えましたが、私は経営に関してはてんで素人。言いたいことはひとつだけです。もっとスムーズに会計がしたい!
なぜならセッションは時間との戦いでもあるからです。
おわりに
TRPGに利用できる場所は数あれど、やはりTRPG特化のレンタルスペースというのは得難いものです。TRPG業界にお金を落とす意味でも、今後オフラインセッションをすることがあればモノドラコさんを利用したいですね。
とはいえ、次にオフラインセッションの予定が入るのはいつになるのでしょう。先日のセッションメンバーにはかなり楽しんでいただけた手応えを感じているので、またお誘いしたい次第です(このときのセッションについては、また別の記事で触れる予定です)。
プレイヤー3人から「これは相互がTRPG沼に消える訳だわ」というご感想をいただき、私がGMをした意味が確かにあったのだと噛み締めています。
モノドラコさん、素敵な場所を貸してくれてありがとう。