
2024年8月末、刺客・カイロソフトから発売されたゲーム「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」を知っているか。
カイロソフトのページ、いつ見てもかわいい~。
私はカイロソフトのゲームが好きです。リソース管理ゲームや経営シミュレーションが好きです。しかし難点がひとつあります。それらは私の生活を壊すのです。
2年ほど前、カイロソフトの「冒険ダンジョン村2」をプレイしたときが一番ひどかった気がします。仕事を終えて夜七時に帰宅、松屋の牛丼を食べながらプレイし、Switchの充電をしながら朝4時まで遊んで寝落ち。始業時間に起きる……ということを繰り返していました。幸いにもその頃は在宅ワーク推奨日が多く、なんとか生活できていたのです。いや、私の生活を壊すな。壊してくれるな。
だから「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」にも絶対手を出しちゃいけないと……思っていた!!
ここからはゲームのネタバレがあります。スクリーンショットもたくさん載せるのでご注意ください。
過去の私は真理に辿り着いていたんだ。
購入までの道のり
このゲームを知ったのはニンダイの放送で、初見の感想は「相性良さそ~!!」でした。カイロソフト+ドラえもんなんて絶対面白いじゃん。藤子・F・不二雄のキャラクターもどっさりいるし全員お客さんにしちゃえるなんて贅沢すぎる。どら焼きを作るっていうのも良い。カイロソフトのいいとこ取り。
だからこそやらねえ。やったら生活壊れるから。

その自制心を保ったまま、気を紛らわせるようにして配信者のゲーム実況を見ていました。でも見ているうちに「ああ、ネタバレ見たくない……」という気持ちが強まっていき、うーんどうしようこのままだとプレイしたくなる。と視聴をやめていたところに

人間「私プレイしましたよ、20時間くらいでランク10いけます!」
そう話しかけてきた人間がいました。その人間は言ったのです。具体的なプレイ時間を。20時間。
20時間――なら、いけるか?

悪魔というのはすぐそばにいるものです。そしてその悪魔の囁きを受け入れるかは果たして、囁かれた者にただ委ねられるのです。
プレイ感想
かくして、我が「ちんぷんかんぷん亭」は建立しました。

購入してからは、まぁ~~~~面白かった!!!!!! 最高に楽しかった!!!!! 耳の奥にBGMやSEがこびりつくまでやった。夢にまで出ることはありませんでしたが、仕事中ずっと鳴り止まなかったです。ロックンロールか?



目まぐるしく動くキャラ! 上昇する数値! 常に追加されるイベント! 過ぎ去る時間! いつの間にか達成しているミッション! 追加される依頼! 尽きることのないコンテスト! なぜか入るゆるい戦闘! 更新され続けるミニゲーム! 目を離すとなにかが起こり、画面が止まってしまい経営が滞るので常にSwitchに張り付いていなければなりません。刺激される報酬系回路! ドーパミン! 過ぎ去る時間!
幸福だ……。

画面がマジで可愛い
ピクセルアートがたまらんのはカイロソフトのお家芸、ずっと眺めてられます(眺めてると画面止まるのでぼーっとはできませんが)。作った施設にキャラクターが入って金を落としていくの気持ち良すぎだろ。

最終的に、私はこういう風に、入口に大通りを作って商品棚をずらっと並べるようにしました。左右に食べる座席や各種施設がある感じですね。効率を考えるともっと良い置き場所はあるんでしょうが、私はやはり可愛さ重視のカジュアル勢なので……。

後半になると、ドラえもんキャラの専用座席が作れるようになるのもよかったです。じゃあ専用エリア作ろ~っと! とか思いながら工事するのが楽しかった。

出会えて嬉しかった作品
個人的に会えて嬉しかったのは『カンビュセスの籤』と『ミノタウロスの皿』のキャラクターです。このお話おもしろいよね。
『カンビュセスの籤』のキャラクターが「コールドスリープ施設を作りたい」と依頼してきたとき喉がキュッとなりましたし、「ミノタウロスの皿」のミノアが「牛丼屋を作りたい」と依頼してきたとき、あんなに腹を抱えて笑ったことはありません。馬鹿野郎。

『ミノタウロスの皿』は皿そのものも出てくるし最悪すぎる。最高のセンスです。

ドラえもんは身近にありすぎて「オタク的にすごく好き!」という感じではなかったのですが、だからこそ日常的な安心感をもってゲームを楽しむことができました。
石にタイム風呂敷を使うとピー助に出会えたり、きこりの泉をトレーニングで使うとジャイアンが綺麗になるの面白すぎた。そういう往年の小ネタが満載で、愛に満ち溢れているゲームだと感じました。

ていうかメシテロすぎね?
どれも美味しそうすぎるでしょ。創作パティシエ部からカイロソフトの奴隷だったのですが、やはり何年経ってもお菓子を作ったりかき氷を作ったり開発したり改良するのが面白すぎる。おままごと大好き。

ピクセルアートが可愛いし、装飾品がまた凝ってるんですわ。コストかかるけど、ドラえもんのお菓子にはやっぱりドラえもん尽くしがいいでしょ……とか考えながらね。

鮎焼きとかもあって、久々に食べたくなりました。美味しいよね~鮎焼き。お土産でしか食べる機会がないやつです。これはどら焼き枠だそうです。

ストーリーがちゃんとある
メインストーリーめっちゃよかったです!! 1話1話は10行くらいで終わるのにドラえもんらしさがあって、しっかり中身があって、面白くて……。みんなにぜひメインストーリーを追ってもらいたいな。じ~んときます。

『ヒョンヒョロ』のうさぎがお客さんになったとき、満を持してゲットしていたヒョンヒョロを渡したんですよ。そうしたらストーリーも解放されるんですが、ヒョンヒョロのラストとは違う展開になって、よ、よかった……。このゲームの中には、そういう「救い」があった。
最終スコア

どら焼き屋さんは4月から始まり、1年経過するとゲームクリア(総合スコア表示)となります。

いろいろと細かく出してくれる。
2年目以降はハイスコアとして記録されないそうで、もっと「上」を目指すのならば最初からまたやり直さなくてはならないよう。それはなんだか寂しいので(あと私の生活が壊れるので)、今回は区切りのいい1年目で終了することにしました。
お店ランクは10まであり、ランク10になるとストップ。同時並行で「和菓子店 全国ランキング」というものもあり、ゲーム的にはそっちのランキング1位も目指すことになります。

……が、こちらもようやく1位になったと思いきや「じゃ、次は世界大会ね」と言われるので終わりがありません。強制的に1年で勝負を区切るしかないのです。

1年間がんばってみましたが、やはり世界の壁は厚かった。世界ランキング3位で終了です。みなさんはがんばって1位を勝ち取ってください!
上の画像に移ってるアイスは白くまのアイスなんですが、なあ、それってギリギリなんじゃないのか。

お店ランク、お菓子コンテスト、和菓子屋ランキングと、なにかと競うものが多いこのゲームですが、定期的な週報もありました。これに一喜一憂するのが経営シミュの楽しみです。売上グラフ見ると頭痛くなってくる体になれます。いかに「効率よくやれている風」に気持ちよくなれるかがカジュアルカイロゲーマーの腕の見せ所なのです。

こちらは2月2週時に確認したお店の情報です。あと二か月でゲーム終了って時点ですね。
プレイ時間が50時間30分とありますが、恐らくこのゲームはスリープタイムも計測しているのでこのようになっているのかと思われます。実稼働時間はこの時点で20時間ほど……だったはずです。約3日で駆け抜けたプレイだったので、リアル出勤時や睡眠時間を追加すると50時間になるのでしょう。そうであってくれ。オタクのよく言う「体感5分でした」の20時間じゃないよな? 私はちゃんと睡眠を取っていましたか?
久々にカイロゲーをプレイしてみて

ということで、25時間弱で無事1周(1年)をクリアすることができました。というか「早く終わらせなければ死ぬ」という焦りが、私をどら焼き屋さん経営に向かわせていたと思います。
最初の人間は「ランク10まで20時間!」と謳っていましたがそもそもランク10なんてカイロソフトのゲームじゃ「終わり」の意味にすらならないということを、プレイし始めてから思い出したクチです。1年という区切りがなければこの命尽きるまでどら焼き経済を回していたので命が助かりました。
いや~駆け抜けた。これで2,480円は安すぎる。

連打で上昇するどこかで見たようなシステムのミニゲームにも、かなりの時間を浪費しました。苦手だったのは神経衰弱とNASU(ゆめにっき)みたいなミニゲーム。
思い返せば、どら焼き屋さんが発売されたのは8月末。私がプレイしたのが9月末だったから……購入を一か月も我慢できていません。いやあ、でも購入を耐えていた一か月は、とても長く感じましたよ。とても……。

プレイしながら、やることが、やることが多い……! となっていましたが、今となっては満足しています。心地いい地獄の作り方は、カイロソフトが知っている。毎度のこと、プレイヤーを焦らせて追い立てて働かせて時間と思考力を奪っていくのが実にうますぎる。
我が「ちんぷんかんぷん亭」よ永遠なれ。今回も楽しく生活を壊させていただきました。ありがとうございました! これからもずっとカイロの奴隷です。

生活壊れるからもうやりたくない………………………………………………………………