もうすぐコミケだねっていう話

biene8
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早稲田大学負けヒロイン研究会がnoteに一編の記事を公開した。同研究会の会誌に掲載した文章を改稿したものらしい。

「コミケの時代の終わり―BLも、ニッチな本も消えていく―」

https://note.com/loseheroine_wsd/n/n2b8cdb169664

なかなか挑戦的な表題だし、反論も多々見られるのだけど、読み物として「いいな」と思うんだよね。コミケが拡大していった時期とオタクとして過ごした青年期が被っている私にとっては、「それは違わないか!」と思うところもあるし、寂しさを覚えたり悲しくなったり、快か不快かで言うと、ちょっと不快寄りに心が振れるところもある。それは仕方ないよね。そしてそれがコミケだよね、みたいな気持ちわかるかな。

サークル、買い専、コスプレイヤー、企業、スタッフ、色々な立場の人がいるし、複数の立場を掛け持っている人もいる。趣味嗜好によってさらに細分化された属性がある。会場の中だけでも一つとして同じ視点がないわけだから、すべての表象が正解だし、不正解でもある。だから言い切る形でコミケを分析して文章を表すのって、かなりチャレンジングなんだよね。そこまで思っているかはわからないけれど(思っていて欲しい!)、覚悟の表現だと思うな。だから私、この文章に否定的な部分もあるけど(肯定的な部分もある)ナンセンスだと片付けたくなかったりする。高校の時の物理の先生が授業中に聞こえた「こんなん意味ある〜?」って声に対して「意味はなくても理由がある!」って返したことがあって、私それ大好きなんよ。コミケには理由があるんだよ。なんか言いたくなっちゃうし、それに対して同意したくなっちゃうし、反論したくなっちゃう理由が。それって大した熱量でしょ?

かく言う私もここ数年コミケには参加していないわけ。でも参加者のように周辺を観測し続けるの、どうにかして当事者であり続けようとしてしまう魅力がある場だと思うんだな。このネタで家族と話し合ったりもしたし、ネットで色々な意見を読んでいる。話は戻って、早稲田大学の学生さんが書いた記事だけど、こういうものが出てくることはまだそこに創造の熱がある証左だと思っていて、だから少し前Blueskyでこの記事を「いい読み物」ってポストした、ってことを言いたかったんだ。

今年の冬も誰かの好きの煮凝りがたくさん並んでいますように。行く人は風邪をひかないよう、今から身体に気をつけてね。