仕事が嫌で嫌でしょうがなかったとき、本が読めなくなった。図書館は毎週行くには行き、気になった本を何冊も借りたけれど、1ページも読まないまま返却していた。アプリで気軽に読める漫画ですら急に見なくなった。
本や漫画で誰かの世界に行けるのは、私にとって逃げ道だった。現実逃避というと少し良くないように聞こえるけれど、現実逃避としか言いようがない。私の人生がいっぱいいっぱいになったとき、ちょっと逃げ出して他の人の人生を覗きに行く。そこで起こる様々な出来事を見学し、あーでもないこーでもないと考えを巡らせる。自分だったらこう言うな、こうするかもな。とか、この人はこうするのか、凄いな。とか思う。そしてしばらくすると、自分の人生へ帰っていく。私にとっての本や漫画はそんな感覚である。
だから本当にしんどかった。自分から逃げられない。自分のことしか考えられない。自分の未来を考えてゾッとする。過去の失敗を思い出して恥ずかしくなる。地獄みたいだった。
昨日素敵な漫画に出会った。3巻まで読めた。読めることの幸せを噛み締めた。