なにもしないをする

美味
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「なにもしない」こと苦手だ。ボーッとする瞬間はあるものの、すぐに我に返り「時間が勿体ない」となにかすることを探す。ひとり暮らしをしていると特に、せっかく休める時間なのに無理やりなにかやることを探す。休みたいのに休まない。こういう自分のことが嫌いである。

実家に1週間ほど滞在した。田舎なので、どこか出かけるには車が必要である。車の鍵を開け、エンジンをかけ、という行為すらめんどくさいので、外を歩くことにした。

関東では桜が満開のようだが、こっちはまだつぼみだ。少し風が冷たくて、日向にいると太陽の暖かさがちょうどいい。昨日雨が降ったからか、川の水が多い。風でたぷたぷと波打っていて、泳いでいる鴨も上下している。

散歩をしていると、「なにもしない」に近いことができている気がする。入ってくる情報が平和なので、考えたところで私の脳みそになんのダメージも加えないことばかりだし、ただゆっくり歩いているだけだし、つまり「無意味なこと」である(散歩が無意味かどうかは色々な意見があると思う)。

実家での1週間はあっという間に終わり、ひとり暮らしをしている場所に戻るときが来た。考えること、やることが山のようにある。たまに頭を休めるために、向こうでも散歩をしようと思う。

@bimichan
美しい味