実家に帰って、驚くほどに元気になっている。1人でしばらくいると色々と考えて落ち込むこともあるけれど、家族と会話しながら一緒に食事をすれば悩みなど忘れている。元々賑やかな家族なので、常に誰かが話していて悩む暇もない。それがとても救われるものとなっている。
1人で暮らしてみると、家族の有り難さを改めて感じることが出来る。さらに、自分にとっての居心地の良い場所に気づく。それが私は実家だった。田舎で何も無いと思っていた地元は、自然と土地に溢れたとても穏やかな場所だった。
小中学生の頃には目もくれなかった草花や動物に、この歳になって興味を示している。綺麗に手入れされた近所の花壇には、チューリップやパンジーが色とりどりに咲いているのを見つけられるし、朝は鳥たちの鳴き声が心地よく感じられる。自然のものたちに愛着が湧くのと反比例して、人間に興味が無くなっていくのも実感している。もう誰かに好かれたい、とも思わなくなってきた。家族さえ居ればそれでいいと、心から思う。