アズカバンの囚人を改めて見るとコメディ要素が多いことに気づく。オープニングで魔法の練習をするシーンはコントのようだし、親戚のおばさんが魔法で風船になって飛んでいくなんてお笑いでしかない。ラストだって新しい箒をもらったハリーが空を飛び回りあまりの速さに口や目を大きく見開いて驚いているという顔芸になっている。
特にルーピン先生の授業のシーンではこの映画で笑いが重要だということをちゃんと説明している。授業の中では相手の怖いと思っているものに変身できる怪物を倒すために、その怪物をおかしな格好に変えてしまう呪文を教えてくれる。怖いスネープ先生に変身した妖怪には魔法でおばあさんの格好をさせてみたり、気持ち悪い蜘蛛に変身した化け物にはインラインスケートを履かせて踊らせてみたりという具合だ。恐怖に打ち勝つためには笑い、それはつまり幸せな気持ちが大切なのだ。だから実はアズカバンはコメディ映画だというのも間違いではないのではないでしょうか。