屋外スケッチに初挑戦 -スズメを2時間観察

shino no memo
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日比谷公園のスズメをスケッチ

日比谷公園にはスズメやハトに餌をあげる人がいるため、スズメを近距離で多く見られます。

多くの人が訪れる公共の場で鳥へ餌を上げることの是非は正直自分には判断がついていないので言及は避けますが、餌付けされている個体だとしても初めてスズメを屋外スケッチするにはちょうどいい場所なのではないかと思い、今回、(ほぼ)スズメのみを合計2時間ほど観察しながら屋外スケッチに初挑戦しました。

自分の持ち前の映像記憶能力では対象が動いていると形を記憶できずうまくスケッチできないため、主に枝や地面でその場にとどまっているスズメを描きました。鉛筆とシャープペンを使っています。

↑【左上】枝のY字のところにもふっと収まる様子が面白かったスズメ。【右上】そのうが膨らんでいてお腹いっぱいのように見えたスズメ。【上・下真ん中】すぐいなくなってしまったので簡易的にしか描けなかったスズメ。

止まって休んでいたり羽繕いしたりしている描きやすそうなスズメばかりを選んで描いたのでもふもふの状態のスズメばかりがスケッチブックに並んでいきます。(活動しているスズメはもっとキビキビとしてスラっとしている。)

↑【左上】途中ハシブトガラスが通りかかり、その飛んでいった後ろ姿も書いてみました。趾が内側を向く。【右上】スズメがスサーと伸びをしたときの足と翼だけ描いた。スサーは一瞬で終わるので全身の形は捉えられなかった。【左下】描いている途中で飛んでいってしまった。【右下】体はこちらを、首は後ろを向けて羽繕いしている様子。

胴体はそのままに頭だけキョロキョロ動かしているときは、顔をどちら向きで描くか悩みました。どの角度が1番バランスよく見えるか、この角度を見ている時間が1番長いか、どの表情を描きたいか、を考えながら、その時々の気分で顔の向きを選んで描きました。

↑【上真ん中】地面をつつきながら食べ物探しをしていたとき顔を上げた一瞬を捉えようとしたがあまりうまく描けなかった。【右下】石の上から池の水を飲んでいる様子。これもすぐに飛び立ってしまい、模様などは全く描けない…。

また、鳥以外に、植物もいくつかスケッチしました。

↑上部に「砂浴び」と書いてあるのは、スズメたちが目の前で砂浴びをしていたのでその行動をメモしたもの。【左上】モミジバフウの実。【右真ん中・右上】スイセンの花。右側なんか見た目怖くなっちゃった…。【下段】ユリノキの実。ユリノキの実の形が好き!

↑【左上】正面から見ると、チュンチュンと鳴くときに喉の黒が膨らむように見えることが観察からわかった。オスの方が喉の黒色の部分の面積が広いらしいというのは知っていたのだが、チュンチュンとさえずるときにここの喉の黒を同時にアピールしているのだろうと合点がいった。【右上】このスズメはかなり長い間羽繕いしていた。【下段】高い木の上の方に群れで止まっている様子も描こうと試みたものの、木の形を描くのむずすぎた…。

しばらくやっていると、どうしても対象がすぐに動いてしまって形を捉えきれないことが多いと感じ、だんだんと「描き始めるときにはおおまかに形を捉えることがまず重要」だということがわかってきました。そこで途中からは、『鳥の描き方マスターブック』の内容を思い出しながら「頭と胴体の向きを線で捉える(何時方向か?を考えると角度を捉えやすいらしい)→楕円で頭と胴体をおおまかに描く→細かいところを観察しながら描いていく」ということを何回か実践してみました。

↑ユリノキの実の形がかわいくて、ユリノキに止まるスズメを描こうとがんばっている様子

ほかにもユリノキに止まる鳥はハシブトガラス、ツグミ、オナガが見れました。冬のユリノキはどんな鳥も止まると絵になるなぁ。

その他観察メモ

  • 途中、急にスズメたちに緊張が走り低木に隠れ始めたので「タカかな?」と思ったら予想通り上空をハイタカ属っぽい鳥が飛んでいた

  • ヂヂヂヂヂヂみたいな声で鳴いているスズメが他のスズメを追い回していた。オスがメスを追いかけていたのか、メスがオスを追いかけていたのか、それとも単に気に入らなくて追い出したかったのか?

  • 色々な種類の鳴き声が聞けた。それぞれ意味はよくわからない。

どんなに見慣れた種であってもじっと観察していると面白い発見ができると思う。それが、私が身近な鳥が好きな理由…。

屋外スケッチをやってみて

屋外での鳥のスケッチはスピード勝負なので、絵を早く描く練習になると思いました。また、じっくり鳥を観察することができるので、水飲み、砂浴び、採餌、羽繕い、寝る、などなどの色々な行動を楽しむことができて楽しかった。

ちなみに以前に屋外スケッチをよくされてる絵本作家の方に屋外スケッチの良さをお聞きした際は、

  • 写真で撮ると実物とは微妙に色が変わってしまうことがあるが、屋外スケッチでは実際に見えるままの色を捉えることができる

  • 写真だと生き物が姿勢を変えている途中の一瞬など、変な一瞬を切り取ることがあるが、屋外スケッチならその生き物を実際に目で見たときの自然な姿を捉えることができる

などの点を教えて頂きましたが、まさにそうだなぁと思いました。

引き続き(頻度は超低頻度になりそうですが)今後も機会を見つけて屋外スケッチしてみたいと思います。今度は色も塗ってみたい!

(生まれながらの絵描きではないのに(元々絵を描くのが特別好きというわけではなかったし得意でもない)鳥が好きになってからこんなに絵を描くことを楽しむことになるとは思っていませんでした。正直私は絵のスキルは全然ですが、絵の上手下手は気にせず、今後も純粋に楽しめればいいなと思います。)

おすすめの本

鳥の描き方マスターブック』は、鳥のスケッチのやり方や鳥の骨格・体の構造・翼の構造などを教えてくれていてすごく勉強になります。

内容が濃すぎて私もまだ途中までしか読めていないですが、実践を積んでステップアップしながらのんびり最後まで読み進めていき、最終的には自分の満足の行く鳥の絵を描けるようになりたいです。

@bird_shino
バードウォッチャー。最近はアート鑑賞もする。 lit.link/birdshino