過去に自分の身に起こったことを書こうとして調べているうちに「身体症状症」という名称を知りました。
すごく簡単に説明すると、実際には疾患がないのに疾患があると思いこんで本当に体に症状が出るという精神疾患です。
自分はこれに3度罹りました(さらに今も少しあります)が、症状があるときは自分は本当に疾患があって症状が出ていると思いこんでいるので、精神的な問題であるとは全く思っていませんでした。普通に肉体的につらいですし精神的にもつらいです。
自分の場合は、3度とも専門医を受診して精密検査を受けて、医師から「特に異常はありません」と宣言されました。すると、今まで出ていた症状が嘘のように消えてしまうのです。
ひとつ、一番最近の例を書いてみます。
自分の思い込みは、「漏斗胸からくる呼吸苦」でした。
漏斗胸を聞いたことがない人も多いと思いますが、簡単に説明すると成長過程で肋骨が陥没した形になってしまう疾患です。重度の場合は幼少期に指摘されるそうですが、自分の場合は比較的軽度だったので、最初に指摘されたのが新卒時の入社前健康診断でした。その時は自覚症状もなく困ったこともなかったので、「そうなのか」と思っただけでした。
それが去年の夏~秋ごろに、たまたま起きた息切れや胸の圧迫感をきっかけに、「漏斗胸のせいかも?」と思うようになり、慢性的に症状が出るようになり、ますます重い状態なのではと思うようになりました。最終的に大学病院で検査を受け、異常なしという診断を受け、症状がなくなりました。
余談ですが、漏斗胸という疾患については、情報が少なく、医者ですらあまり詳しいことを知らない事が多いです。自分は近所の内科消化器科病院→大学病院の呼吸器内科→同院の呼吸器外科(漏斗胸の専門医)の順に診てもらいましたが、大学病院の呼吸器内科ですらよく知らないのです。ネットにも様々な情報や動画がありますが、いま思うと見る必要がない情報ばかりだったと思います。漏斗胸の専門医自体が少ないのですが、漏斗胸で困っている人は専門医を見つけて受診することをおすすめします。
余談ついでにもう少し。漏斗胸の専門医に言われたことで印象深かったことがあります。当時、呼吸苦を感じており、実際に苦しさがあるということを伝えたところ、「呼吸の苦しさを感じているのは肺ではなくて脳だから」という言葉です。脳が「自分の肺がやばい!」と認知してしまうと、脳が「呼吸苦しい!」と錯覚させてしまうのですね。脳のハックやばい。
教訓。
不安が強い人は、必要以上に不安がらずにさっさと病院を受診しましょう。また、自分の思考の癖を学習しましょう。