相手が自分の興味を示していない時、話す気が失せる。よくあること。自分のことを全然知らない、自分の関心事について全然知らない、知ろうともしない人と話したいとは思わない。その場合適当な会話になり終わる。本音は話さない
ユーザーインタビューの場で上記のようなシーンを見ることが稀にある。インタビューのテクニックに偏重してしまうとその様なことが起きてしまうと私は思っている。相手のことを何も調べずにインタビューに臨む。そもそも相手のことに興味がない。興味がある振りはするが、本当は全然興味がない。インタビューのテクニックを駆使して相手のことを深掘っていく訳だが、相手に興味がないことが透けて見えてしまい、双方の間に壁が生まれてしまう。色々聞き出せている様で全然聞き出せていないインタビュー
相手の言っていることが分からないと相手と会話することは出来ない。当たり前のことのように聞こえるが、これが分かっていない人が多い。相手の言っていること(語彙)が分かっているから会話が進む。相手の言っていることが分からないと、相手はそれを直ぐに察し、「この人とこれ以上話しても意味ない。この人何も知らなそうなので」と思われてしまう。話す気が薄れていく
ユーザーインタビューは教えてもらう場である、と馬鹿正直に思っているリサーチャーが稀にいるが、分かっていない。ユーザーのことを理解する為にユーザーのことを理解しておかないといけないのである
ドメインエキスパートしか立ち入れない領域しか残っていない様にも見える。遠隔医療、建築・建材、ドローン、半導体、SOのセカンダリマーケット、管理会計等々。傍から見ると難しそうな領域ばかり。その業界の人と話すには、同等の知識を持ってないといけない訳だが、素人がその知識を持つことは到底出来ない。つまりユーザーインタビュー出来ない。これが実態(リアルな現実)である。だからリサーチャーがレイオフされているのである。リサーチャー所か純正PdM、UXデザイナーとかもレイオフ対象になっている。分かっている者同士でしか会話は進まないのである
「意味世界」とは、「自分の中の知識や知見」という意味である
自分の意味世界と相手の意味世界がある。2つが重なっている時、会話が進む。距離があると会話は進まない。相手の言っていることが分からないからである。理解出来るのは、自分の意味世界の境界付近まで。となるとやることは一つしかない。「自分の意味世界を広げること」である