ハロー!プロジェクトの推しグループであるアンジュルム(2014年にスマイレージから改名)の楽曲から、歌詞が好きなフレーズを6つ選んで語る。⚠︎かなり長いよ
早速1つめ。
"傷付いたら 「傷付いたよ」と
伝えられたら···"
--「46億年LOVE」
「46億年LOVE」は ちっぽけな自分の、叶わなかった夢や出せなかった勇気にフォーカスしながら、タイトル通りに宇宙規模の、BIGな理想と願いを歌う曲。
上のフレーズのどこが秀逸かと言えば、「伝えられたら···」だと思う。「伝えたい」(I want)でも 「伝えよう」(Let's)でもなく、「伝えられたら···」(I wish)。公式の英訳でも(I wish I can say...)とされていて、I wish~は限りなく不可能に近い願望だ。「傷付いたよ」と伝えることがどれだけ難しいかを知っている。知った上で、伝えたいし伝えてほしいと思っているのだ。そして、もしも伝えられたら··· その先にあるものは何だろう。
この曲はきっと、「傷付いたよ」と伝えられたその先に、46億年の時を超えるような眩い愛の時代があると信じている。そんな時代がやって来る可能性は、"wish"でしかなかったとしても。
ちょっと飛躍しすぎじゃない?とツッコミたくもなるけれど、ミクロ(私の周りの些細なできごと)とマクロ(地球や宇宙)の視点を往復する歌詞こそが、ハロプロ楽曲らしさの最たるものだと思う。私はこの"らしさ"が好きで、自分の思考の癖に似ているとも思っている。
2つめ。
"共感より共存だ"
--「愛すべきべき Human Life」
共感ってなんだろう、とよく考える。安心するもの。SNSのあちこちで発生している巨大な渦の動力源のひとつ。オリジナルな感情が隠されてしまうもの。私が思うのは、「共感」に対して世間が寄せている信頼は、ちょっと大きすぎるんじゃないかなということ。
他人に共感できることより、共感できないことのほうが当然で、分かり合えるかどうかより、分かり合えなくてもどうしたら共存できるかどうかを考えることのほうが重要なのではないか。そんな考えを、端的に表すなら「共感より共存だ」になるのかも。
何より、共感できないことのほうが多い他人同士が、受容と思いやりによって心地よく共存できることを証明する例のひとつがアンジュルムだと思っているから、彼女達がこれを歌う姿に説得力があるよね。堂島孝平さん(当楽曲の作詞作曲を担当、アンジュルムのファン)も、アンジュルムをロールモデルとして捉えて、このフレーズを贈ったんじゃないかな。
3つめ。
"温もりだけ忘れんな Noである時も"
--「愛すべきべき Human Life」
私が日頃から心に留めている言葉に、上のフレーズがある。違う、嫌だと思った時、温もりだけ忘れんな···と自分に言い聞かせている。Noであるなとも、優しさを忘れるなとも言っていない。人としての温度だけ。この心掛けだけで、要らないNoの連鎖は止められそうじゃないかな。
共感できなくとも他人と共存するために、必要な心掛けのひとつなのかも。
4つめ。
"ゆずらぬガンコさが粋じゃない?"
--「タデ食う虫もLike it!」
アンジュルムの曲における"私"は「強い」とよく言われる。何が強いのか、それはメンタル、個性···色々とあるだろうけれど、一つ挙げるなら意志が強い、だと思う。その強さに対する"ガンコ"だという受け取られ方にさえ、"粋じゃない?"と返せる強さが"私"にはある。かっこいい...痺れちゃう。
"粋"という褒め言葉は普段多用しないからこそ、自分を粋だと思えることには密やかな特別感があると思う。
このフレーズが好きなのは、歌唱を担当しているたけりな(竹内朱莉、勝田里奈)のユニゾンが素晴らしいからという理由もある。2人とも既にアンジュルムを卒業しているけれど、竹内さんは書道家、勝田さんはアパレルブランドのディレクターと、この楽曲の主人公のように"好き"を貫いて生きる、粋な人だ。歌声自体の素晴らしさは勿論、2人に似合っているという意味でも、このフレーズの歌唱が好き。
5つめ。
ここからは、スマイレージ時代の楽曲。
"怖いことが 一個あるとしたら
それはこの若さのパワーかも"
--「ショートカット」(スマイレージ)
作詞作曲はつんくさん。彼の書く曲の、若者の力を信じているところが好きだ。うちらがうちらのために、未来を明るくしてやろうじゃん!みたいな気概を感じる。
怖いほどの"若さのパワー"。同じく「ショートカット」中のフレーズである、
"そんでできるならば
やっぱあいつと腕を組んで
世界中を旅したい"
にそれが表れていると思う。手を繋いでデートしたい、じゃなくて、腕を組んで世界中を旅したい。この突飛さが眩しくて愛おしい。
6つめ。
"ねぇ 自転車
スピード出過ぎじゃない?"
--「スキちゃん」(スマイレージ)
"私"だけじゃなく"君"もはしゃいでいること("嫌われたらどうしようかな"だなんて歌って、"私"ばかりが"君"を好きなのかと思いきや)。"私"もそれを感じ取ってること。ほんの少し呆れたり不安になったりしながらも、そんな"君"の様子が、"君"についていけることが嬉しくて、浮ついた気持ち。若い日を駆け抜ける疾走感。ごく自然な1フレーズで、ここまで多くのことを感じさせてくれるのか···とつんくさんの技量に感嘆したところ。
サビ直前のフレーズだから、このフレーズから思い起こされるイメージと、楽曲の盛り上がりの加速がリンクするのもさすがだと思う。
まだまだ好きなフレーズは沢山あるけれど、今日はここまで。
最後まで読んでくれてありがとう。
各楽曲のMVのリンクを貼っておくので、良かったら聴いてみてね。
「46億年LOVE」
「愛すべきべき Human Life」
「タデ食う虫も Like it!」
「ショートカット」
「スキちゃん」