・瀬尾まいこさんて、ひとのやさしさを信じてる感じがする
・ふたりとも周囲から恋愛関係に見られることにうんざりしてるけれど、彼ら自身が、もしかして俺/私のことを好きなの?と勘違いする瞬間は物語終盤まであるんだね。相手から見て自分は恋愛対象になるほうの性別だ、と認識している場合、どれだけ"無さそう"でもそういうものなのかな
・好きなの?の勘違いがあっても、その直後に勘違いだと分かるのも、この関係が続く理由のひとつなんだろう
・パニック障害の症状の描写はリアリティがあって、パニック障害もPMSも同情を誘うような描かれ方をしてなくて(例えば、ふたりとも健気な善人じゃなくて)良かった。自分の持つ、世間でハンデとならざるを得ないものを、感動作の材料にされたくないと思ってる人はきっと少なくない
・気遣い屋が気を許した人ーーと言うと聞こえがいいけれど、見栄を張るのを諦めた相手ーーの前でだけ取る態度の遠慮の無さに思い当たる節がかなりあって、恥ずかしくなった。でもそういう相手との会話って、そうそう、こういう風に楽しいんだよね、とも思った
・物語終盤 お互いに「好きになれる」と思ったことが、結果的に相手のために(も)なっていた行動のすべては別に善意でも好意でもなかったことを明確に示してた。わたしが感じたよりもずっと、ふたりとも、勝手にやってただけだった