https://www.amazon.co.jp/dp/4814400438
PdM についての書籍だが、How ではなく著者が実務経験から学んだマインドセットについて書かれた本。この書籍の主要な主張は「理想論に囚われず、状況に適応せよ」である。シニア以上のプロダクトリーダーであれば、腹落ちする話だろう。プロダクトマネジメントに限らず、世の中には様々な「ベストプラクティス」が溢れている。特にジュニアのうちは、こういった「世間の理想像」を現実に持ち込もうとしがちである。ある程度の経験を持つリーダーが読んで得られるものは少ないかもしれないが、特にジュニアなプロダクトメンバーに読ませると有用な本だろう。
第 2 章:プロダクトマネジメントの CORE スキル
Communicate(コミュニケーション)
心地よさより明確さ
積極的に協力関係を築く
ステークホルダーに素早く思慮深く反応する
Organize(組織化)
自らを不要とせよ
「私たちはいま何をすべきでしょうか?」は悪い兆候である
Research(リサーチ)
ユーザーの現実に生きよ
あなたにとって重要な仕事は、ユーザーにとって全く重要ではない
ユーザーの広い現実世界とプロダクトがどう適合するのかを理解する
Execute(実行)
すべての努力はアウトカムのために
職務経歴書になくても、物事を完成させる責任を持つ
第 4 章:過剰コミュニケーションの技術
権限を持つ人たちの「良さそう」は一番危険な言葉である
Disagree & Commit で脱却する
沈黙は不合意
一人ずつ確認し、積極的なコミットメントを示す
コミットできない場合は、別途確認する
第 5 章:シニアステークホルダーと働く
「上司は馬鹿だ」はチームを壊す
どんな要求も気まぐれで合理的でないと捉えるようになってしまう
シニアと対立し、チームを守る行動を取るようになってしまう
シニアステークホルダーも人間である
シニアリーダーは、他のことで頭がいっぱい
いつも望み通りの答えが得られるわけではない
シニアステークホルダーに「勝つ」ことを目的としてはいけない
彼らが素晴らしい意思決定を下せるように支援する
「大きなアイディア」はいきなり披露しない
シニアステークホルダーを驚かせない
少しずつアイディアを広めていく
第 6 章:ユーザーに話しかける
一般論ではなく具体的な例を聞く
🙅♂️「普段ランチで何を食べますか?」
🙅♂️「いちばん好きな食べ物は何ですか?」
🙆「最後に食べた食事について細かく教えてください」
第 7 章:「ベストプラクティス」のワーストなところ
制約と限界の中でベストを尽くすことから始める
「完璧に」「正しく」プロダクトマネジメントをする方法はない
「理想論の実現」に疲弊せず「ユーザーに価値を届ける」のに力を使う
フレームワークやモデルは有用なフィクションである
第 10 章:ビジョン・ミッション・戦略 —— イケてる言葉たち
ビジョンやミッションなどの用語の、唯一正しい模範的な定義はない
そんなものに囚われず、チームが実行しやすい戦略をつくろう
優れた戦略はシンプルで明快である
基本的な質問に簡潔に答えられるもの
ユーザーは誰?
解決しようとしている課題は何?
私たちがその課題を解決するに相応しい理由は?
優れた戦略は実行と不可分
チーム全員が、戦略を 1~2 行で暗唱できる
暗唱できないなら、実行時の意思決定に役立ってない可能性が高い
何を作らないかを決めるときに役立つ
詰め込みすぎ・複雑すぎる戦略は、特定のユーザーや課題にコミットできない不安の表れ
戦略の更新は悪いことではない
顧客やマーケットの変化に応じて更新し、現実に役に立つものにする
第 12 章:優先順位づけ
Think big, Start small
大抵の場合、やってみないと分からない
フィードバックを得られる小さな単位ではじめよう
同僚や上司が興奮した様子でやってきたときは、反射的にノーと言わない
興奮している理由を理解するように努めよう