僕は今、高校生の頃に書いていた長編小説の続きを書いている。大学進学と同時に書くのを一旦やめてしまっていた。けれど、二万四千字まで書いていたし、「続きを待っている」というコメントもついていて、僕はずっとその長編小説を書いていないのが気がかりだった。作品としてケジメをつけるためにも、僕は最近その小説の続きを書き始めた。作中のキャラが好きだったというのもある。
書いてから一年ぐらいしか経っていないけれど、前に書いていた文章は我ながら若いなと感じた。拙いのはもちろんだが、みずみずしいといういい面もある。どこまでも純粋な文章だった。僕はことあるごとにこの小説のことを考えていた。バイト中などに、どういう展開にしようかとか、どんなオチにしようだとか、そんなことをずっと考えていた。一か月ぐらいが経った今日、ついに、オチが思いついた。
そのオチは、我ながら恐ろしく、悲しく、僕を震えさせた。でも、でもだ、僕にはそのオチ以外はありえないと思うほど、そのオチは作品にぴったりとはまってしまうのだった。僕は作中のキャラが好きだから、正直、そんなオチを書きたくないのだ。どうしてこんなオチが思いついてしまったんだろう。思いついてしまったからには、書くしかない。書くしか、ない。