zazenboys4

文学少女
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 ここ最近の寒さが嘘のように、外に出て歩いていると暑さを感じるほど、今日はあたたかい天気だった。気温が高いのはわかっていたが、夜になると冷えるらしいから、すこし厚着をして出かけたのだけど、やはり、歩いていたら暑くなってしまった。

 電車に乗っている間、僕は「zazenboys4」を流し、目をつむって、ただその音楽に耳を澄ませていた。思えば、ここ最近、ずっとこのアルバムを聴いている。いい音楽というのは、何度聞いても飽きないし、くり返し聴いているうちに、なにか発見があったりするものだ。電子音とバンドサウンドが融合した「zazenboys4」の音楽は、未だに新鮮な気持ちで聴くことが出来る。打ち込み音を多用したアルバムで、向井秀徳はインタビューで「バンドサウンドの作曲を経験したからこそ、打ち込みが肉体的に扱える」と語っていて、たしかに、他の打ち込みの音楽と違って、地に足がついているというか、どっしりとしていて、まさに肉体を感じる。

 大学に着いて僕はまず喫煙所に向かった。これから明日のために作業をしなきゃいけなくて、そういう気が重い作業の前には、タバコを吸って心の区切りをつけるのが常だ。ハイライトを取り出し、マッチで火をつける。しばらくして短くなったタバコを新しいタバコに押し当て、二本目へ。二本も吸えばやる気が起き、僕は図書館に向かった。昨日は図書館にいっても、「アデン・アラビア」を読んでいただけで作業はなにも進まなかったけれど、今日はどんどん進んで、作業を終わらすことが出来た。とりあえず、一安心。

 図書館の窓から見える空は、淡い水色の美しい青空だった。