秋空が、僕の頭上に広がっている。雲はなく、ただ、限りなく、透明な、淡い水色の空が、どこまでも広がっている。ぎらつくような夏の青空と思い浮かべ、もう、秋になったのだと、僕は、しみじみと感じた。明日から、やらなきゃいけないことが僕に押し寄せてくることを考えると、とても憂鬱で、僕は、何もしたくなくて、頭をからっぽにして、キャンパスの中を歩いていた。この、静かで、美しい時間が、ずっと、続けばいいのに。いくらそう願ったところで、無慈悲に、明日は、やってくる。それが、この世界の決まりで、誰も、逆らうことはできない。僕は、ひたすらに、歩いていた。僕の耳には、フィッシュマンズの「LONG SEASON」が流れている。幻想的な音楽で、僕の意識は、幻の世界へと逃げていく。疲れているのだろうか。僕の頭の中には、じわじわと、憂鬱が込み上げてくる。くすんだ、灰色の、憂鬱が。僕の頭はくすんだ灰色の憂鬱に侵食されているけれど、空は、透明で、美しい。空は、いつだって、美しい。いつも、変わらず、雄大な、美しいその姿を、僕に見せてくれる。常に、その表情は変わり続けているけれど、美しさは、ずっと、変わらない。でも、僕は、どんどん憂鬱になっていく。この憂鬱は、いつか、僕を支配してしまうのだろうか。僕の体は、どんどん濁っていく。でも、やはり、空は、透明で、美しい。