文芸部の人が、あるふたつの受賞作を、大江もどきの文章と三島もどきの文章だと評していた。そのとき、僕の文章も、誰かのもどきにすぎないような気がした。どうしても、僕の文章が誰かの影響を受けていることは否定できないし、僕の文章がそれほど個性的なものとも思えない。僕は語彙が豊富なわけでもないし、言葉選びが卓越しているわけでもない。そう思うと、僕の文章が無味乾燥でつまらないものだと思えてしょうがない。僕にしかない輝きを放つ、僕の文章とは、一体なんであろうか。そんなものが、あるのだろうか。文学少女