太陽の光

文学少女
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公開:2024/12/3

 二限にちょうど良く着く僕の電車では、少し早めについてしまうので、授業が始まるまで少し時間があるから、授業の前に一服するのがちょうどいい。そこで、僕は大学に着いて、まず、喫煙所に向かった。

 喫煙に関して、僕の中でいくつかのルールがある。その一つが、タバコを吸っている間はスマホを見ないということだ。これは僕が好きな小説の主人公に倣ってやっているのだが、やってみると、中々いいルールだということが分かる。このルールがあるからこそ、タバコを吸っている間、僕は外の世界と一体になる。何もせずにただ立ち止まるというのは難しいが、タバコは、ほんとうに無心になる時間を、僕に与えてくれる。今日も、自然は美しい。ほんとうに無心になれるからこそ、タバコを吸っているときに見る黄色や紅に染まる葉や、澄んだ水色の青空や、地面に落ちている枯葉や、それが太陽に美しく照らされている光景が一番美しいし、タバコを吸っているときに聞く鳥の鳴き声や、音楽が、一番美しい。僕の耳には、最近のお気に入りであるレディオヘッドの「KID A」が流れている。悲壮感が漂う「KID A」から、ベースラインが際立つ「The National Anthem」へと移り行く。

 僕は自然を眺めては、太陽の光はこれほどまでに美しかったであろうかと、そう感じた。人生でこれほどまでに太陽に光を美しく感じたことはなかった。枝や、枯葉が、太陽の光に照らされ、美しく輝いている。虫の糸で垂れ下がっている枯葉は、風に吹かれて、ひらひらと回っている。一方では太陽の光を受け、輝き、一方では日陰になり、暗くなる。それをひらひらと繰り返す様子を、僕はずっと眺めていた。