月が溶け、星が歩きだす。夜空は青く澄み、魚が悠々と泳いでいる。僕の体はバラバラに分解されていき、ネジや基盤が地面に染み込んでいく。雨が空へと昇っていき、星々を濡らしていく。空から炎が落ちてきて、建物やアスファルトの地面、僕の銀色の肌に染みる。死者は街中にあふれ、血を垂れ流しながら踊り、生きているものは青白い顔で安らかに眠っている。花や木は夜空に根を張って、僕を上からのぞき込む。海は静止し、陸では波が絶え間なく山から砂浜に進んでいく。太陽は月の光を反射して青色に輝き、満ち欠けを繰り返す。鳥は地を這い、蛇が空を舞う。人々は神への礼拝を異教として迫害し、悪魔を崇拝する。エントロピーは減少していき、粉々だった言葉が結合していき一つの書物を形成する。宇宙は収縮していき、ブラックホールはすべてを放出する。星の内部で銀河は輝き、重力崩壊を起こした星が徐々に星の姿を取り戻す。収縮していく宇宙はビッグバンを起こしてインフレーションを引き起こし、空間は急激にしぼんでいき、沈黙の世界、完全な無がやってくる。