頭のおかしい雑貨屋の話

ブセさん
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WinkeltjeというゲームをPCでやっている。ウィンケルチェと読む(らしい)。小さくて可愛らしいお店という意味(らしい)。食料や衣料品、薬や金物、なんでも扱う雑貨屋を経営するゲームだ。棚を配置してそこに商品を並べると、客がやってきて買って行く。仕入れ・品出し・販売をテンポよく行う。

面白いゲームなのだが、田舎のイオンばりに朝からお客がじゃんじゃんやってくるので全然品出しが間に合わない。バイトの女を雇ったが、それでも間に合わない。空っぽの棚を素通りして、客はレジに並ぶ。こわい。頭にトンカチのことを思い浮かべている。トンカチがほしくて来店し、棚が空なのでとにかくレジに並んでいるのだ。こわい。そんな奴にトンカチを販売するのもこわいし、商品がなくても暴れだしそうだ。不幸が来店している。

この店にはこういう頭のおかしい客がたくさんくる。みんな何かを思い浮かべながらレジに並んでいる。百均で「そこになければないですね」と対応されたことないのか。よそをあたれ。駐車場のわきでタバコを一本吸って、車に戻って隣町のイオンにゆけ。

ところで私は頭のおかしい雑貨屋の主人なので、レジにもくもくと並ぶお客のほしいものが全部わかっている。なんせ頭の上に出ているふきだしが全部見えているのだ。そこで私はレジの前に陣取り、ひとつひとつお客の欲しい物を手渡ししていくことにした。我々は通じ合っている。お前のほしいものは棚にはない。だが私の手にはある。バイトの女がこっちを見ている。なんかごめんね、休憩してきていいよ。