積み過ぎている。本を。机をはみだし、椅子の一部を占領し、床にこぼれ始めたのを見て自覚した。積み過ぎだ。いよいよ電書化をする時がきた。
電書化。本を裁断し、スキャナにかけ、PDFにする。読むときはiPadに入れて読む。PDFにし終わった本は……言いにくい、言いにくいけれども、嘘をつくのもあれだし、言いにくいけど、捨てる。まとめて紙ごみに出す。文庫本のスペースが空き、また新しい本が買える。24LDKとかに住めるなら私だってどんな本でも大事にとっておきたいが、限りあるスペースを本と暮らしていくには、なにか指針が必要だ。人によっては売ったり譲ったり実家に持って行ったりするだろう。私の指針は「読み終わった本は電書化する」だ。
だが読み終わった本の中に電書化しにくいものがある。大概は絶版した文庫本だ。とくべつ面白かったものは尚のこと手が伸びない。紙の本のままが最高にいかしてるのに、これを裁断してバラバラにして、あまつさえ捨ててしまうだなんて。逡巡して、だーいぶ考えて、結果取っておく本が多い。やはり人間には24LDKが必要だ。掃除ならがんばるから。
逆に電書化で心が痛まない本の筆頭は問題集だ。なんなら解く前に裁断してiPadに入れてしまう。ノートアプリでがんがん書き込んだ方が使いやすいので、問題集はあまり悩まない。
あとは新書やノンフィクションのもの。万が一データを吹っ飛ばしてもKindleで探すと結構ラインナップにあったりする。再入手しやすいと思うと躊躇がなくなる。難しそうな本はあらかじめ電書化して、読書アプリではなく問題集同様ノートアプリに突っ込んでアンダーラインを引いたり書き込みを入れたりしながら読む。あとで見返してまとめを作る時も書き込みをしているとやりやすい。紙の本でアンダーライン引けばいいじゃないかって? 紙の本には書き込みできない性分なのですよ。