母の誕生日で実家近くの割烹に行ったとき、終わりの方で出汁の話になった。毎日とる出汁も、今日はよいのが取れたと思うと嬉しくなると割烹の主人は言う。私は塩味の濃淡を気にするくらいで、大体なんでも美味しいと言って食べるので、味の差異をあまり気にしない。昨日取った出汁と今日の出汁が違う、とわかる感覚もすごいが、その味を覚えていられるのがすごい。
秋味や冬麒麟等、季節限定で出るビールがある。うまい。ああ冬が来るんだな、という感慨で飲む。なので「秋味より冬麒麟の方が美味しいよね」と言われると動揺する。お前は秋に飲んだビールの味を覚えているのか? 2か月くらい前の? ほんとうに?
人には人の特殊性があって、私も自分からすれば普通だが他の人からみると奇異にうつることをやってるんだろうけど、味みたいな数値化ができなくて、感覚で、でも繊細に変わるものを覚えていられること、普通じゃないと思うんだけどな。思い当たる節はありますか。あなたの「普通」もぜひ教えてほしい。